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肝斑を内側から治療する「トラネキサム酸」

しみ
2020.06.22.月曜日
しみ | 2020.06.22.月曜日

 

シミ治療についてシリーズ6本目、シミの飲み薬についてです。

【シミ治療1】シミ治療は診断を誤ると悪化させるリスクあり?!
【シミ治療2】シミ治療の種類を徹底解説
【シミ治療3】光治療(IPL)の特徴や種類、選び方など治療詳細について
【シミ治療4】Qスイッチルビーレーザーについて徹底解説
【シミ治療5】美容皮膚科が提唱する肝斑治療法はコレ

 

前回、肝斑治療について詳しく解説させていただきました。
肝斑治療は外からの治療だけではなく、内服治療も重要であり、当院でも内服薬を処方させていただきます。
今回は肝斑の飲み薬についてご紹介させていただこうと思います。

肝斑の内服治療薬「トラネキサム酸」

トラネキサム酸とビタミンC・Eの同時服用が有効

当院ではトラネキサム酸とビタミンC、Eを処方します。
昔はトラネキサム酸単独を処方することが多かったのですが、長年治療を続けていく中で、ビタミンCやEをを一緒に服用する方が肝斑が薄くなる傾向があったため、この3点はセットで処方させていただいています。
学会などで他の先生方の症例も確認するとやはり、ビタミンCとEの組み合わせは有効のようです。

ビタミンCは炎症を抑える作用があり、以前別のシミ治療をご紹介させていただいた際も記載しましたが、当院は肝斑の原因は炎症性のものだと考えています。ですから、ビタミンCは相互作用として有効なのだと考えています。

ビタミンEは血液の循環を良くする効果があります。
皮膚の血流循環が良くなると肌のターンオーバー促進にもつながりますので、シミを追い出す作用を促進することになります。
特に末梢血管循環の促進作用は重要です。

そして、肝斑に対する効果が高いトラネキサム酸ですが、よく歯磨き粉に配合されています。
止血効果がある成分です。外科手術の際、再出血防止のために使っていた薬です。
よくこのお話をさせていただくと「血液がドロドロになるってことでしょうか?」と心配される方がいらっしゃいます。
仮に出血した時には、血栓ができ止血されます。この時できた血栓を溶かさないようにする作用がトラネキサム酸の効果となります。ですから血栓ができない限りトランサミンというのは止血剤としては働きませんので、飲んだからといって血液がドロドロになることはありません。ピルを服用されている方は合併症として血栓が出来やすいと言われています。
ですから、念のため当院ではトラネキサム酸とピルの併用は避けていただいています。
以前、産婦人科のドクターにトラネキサム酸とピルの併用はどうかと相談したことがあります。
得られた答えはピルで血栓が出来やすい方というのは喫煙者であり、非喫煙者の場合、1万人に1人の確率だとのこと。
つまり、トランサミンとの併用は大丈夫とお答えくださりました。
それでも、念には念をということで当院では併用は控えていただいております。

肝斑治療に効果的なトラネキサム酸の摂取量

当院ではトランサミン500mg錠を3錠飲んでいただいてます。
トータル1日1500mgになります。
「先生、そんなたくさんの量必要ですか?」と質問されることがありますが1500mg服用した方の方が肝斑に対する効果があると当院では考えています。

実際、市場調査ではありませんが、他のクリニックの先生にも聞いてみたところ500mgの服用者と1500mgの服用者では1500mgを服用する人の方が明らかに肝斑への効果が高いという意見が多かったのを覚えています。
1錠では効かなかった人が3錠飲んだら効いたという話も聞きます。
他のクリニックでは、250mgを3錠出し、750mgとして半分の先生もいらっしゃいますが、当院は500mgを1日3回の合計1500mgを出しております。
ただ、たくさん薬を服用すると胃がもたれたり、荒れたりする方もいらっしゃいます。
そういった場合は量を減らしてもらって、最小限量であれば1日1錠500mgでも効くと言われていますので、胃の弱い方には1錠でも良いとお伝えしています。

トラネキサム酸の副作用

副作用としては先ほどご紹介したピルとの併用による血栓症です。
その他は、胃もたれくらいでほとんど副作用はありません。
当院では出たことがありませんが、極稀に湿疹や蕁麻疹が出ることがあります。
もし、そのような症状が出た場合はお薬を中止いただければと思います。

トラネキサム酸の服用期間

「どれくらいの期間飲めばよいでしょうか?」と質問されます。
治療は個人差があるため、一概に服用期間に定めはありませんが、基本的に長期服用しても問題ありません。
また、当院では500mgを1日3錠服用頂きますが、良くなってきたと思ったらご自身の判断で1日2錠などに調整いただいても問題ありません。また、一時服用を中止いただいても問題ありません。
もし、長期服用することに抵抗のある方は、2~3ヶ月服用し、1ヵ月お休みなど休薬期間を置いてもらっても全く支障ありません。
また、「何歳まで飲めばよいのでしょうか?」と聞かれることがあります。
肝斑の治療ですから、肝斑がなくなれば服用を止めてもらって結構です。
肝斑は炎症によって起こると考えていますが、それ以外にも体内ホルモンの影響を受けると言われています。
全員が全員ホルモンの影響で肝斑が左右されるわけではありませんが、私の印象では2~3割ぐらいの方はやはりホルモンの影響を受けていると感じます。
ですから、肝斑の方は女性で生理が終わり閉経すると消える方が3割くらいいらっしゃいます。
そういう方はその時点でトランサミンの服用を止めていただいて結構です。
しかし、残りの6~7割の方は閉経後も肝斑が無くなりません。
そういう場合は継続して服用することになりますが、あくまでザックリした目安として60才を目安にトランサミンの服用は中止でいいのではないかと考えています。

トラネキサム酸の効果実感できる期間目安

当院では外からの肝斑治療としてピーリングやイオン導入、軟膏を組み合わせた肝斑レギュラーコースというオリジナルの治療をおススメさせていただいております。これと合わせて内服薬との治療を併用することで治療効果が高まります。
しかし、中々通院することができない方もいらっしゃいますので、飲み薬の処方箋だけを出すこともできますので、ご希望の方は診察時にご相談ください。
このトランサミンの効果ですが、早い方で飲み始めて2週間くらいで効果が出始めます。
全員が2週間という訳ではありませんが、1つの目安として最低1ヵ月、出来れば2ヶ月服用頂き効果の様子を見ていただきます。
それで薄くなってきたと実感出来れば継続したり、量を増やしたり減らしたり調整していくことを推奨しています。

普段治療においてお薬を処方する際、何故この薬なのか。
どういう作用がある成分なのか。そして、どういう飲み方をするのか、などすべてを詳しくお話できないのでこうした記事や動画などで解説させていただき、皆様の理解が深まり、不安の解消になれば光栄です。
今後も正しい美容医療の知識と情報を配信してまいります。

シミ治療に役立つ美容医療情報や、自宅でできるアンチエイジングや美容医療の治療方法について詳しく動画で解説しております。ご興味がありましたら、Youtube動画もご覧ください。

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