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Qスイッチルビーレーザーについて徹底解説

しみ
2020.06.17.水曜日
しみ | 2020.06.17.水曜日

シミ治療について、シリーズでご紹介させていただきました。

【シミ治療1】シミ治療は診断を誤ると悪化させるリスクあり?!
【シミ治療2】シミ治療の種類を徹底解説
【シミ治療3】光治療(IPL)の特徴や種類、選び方など治療詳細について

前回は光治療(IPL)について詳しくご紹介させていただきましたが、今回はQスイッチルビーレーザーについて詳しくご紹介させていただこうと思います。

Qスイッチルビーレーザーの特徴

Qスイッチルービーレーザーはメラニン起因の皮膚疾患治療のゴールドスタンダードとして1983年に確立された選択的光融解理論に基づいた革新的なレーザー治療器です。単に古い技術という訳ではなく、多くの症例やノウハウが蓄積され、治療法として確立されたものです。そうした技術の集大成で生まれた治療器がこのQスイッチルビーレーザーです。
当院で扱うのは、ワンランク上のルビーレーザーとされるThe Ruby Z1(ザ・ルビーZ1)という機器を導入しています。
治療原理は特定の波長のレーザーを組織中のメラニン顆粒に選択的に吸収させ熱に変換させます。
周辺の組織を傷つけず、メラニン顆粒組織だけを確実に破壊し、真皮内で破壊されたメラニン顆粒は粉々になり、マクロファージに貪食されることで、次第に色素が消退していきます。
光治療(IPL)と比べ、出力が高く、また深い部位まで照射可能なため、比較的深い部位に有効な治療器です。

Qスイッチルビーレーザーは痛いのか

患者様と鏡を見ながら治療を希望する範囲をマーキングし、照射を開始します。
痛みを和らげるために、氷で冷やしながらレーザーを照射ていきます。
輪ゴムでパチンと弾かれるぐらいの痛みはありますが、照射範囲が比較的狭い場合は我慢できないほどではありません。
ただ、広い範囲にレーザーを当てる治療ケースがあります。
そのような場合は予めご要望に応じて塗り麻酔を行ってから照射します。

Qスイッチルビーレーザー照射後のアフターケア

照射直後は少し火照ったような感じがあります。
通常、照射後7日程度で必ずではありませんが、瘡蓋(かさぶた)が浮いてきます。
それまでは1週間ほどハイドロコロイドテープを貼っていただきます。
昔は軟膏を塗ってガーゼをかえてを繰り返していましたが、ハイドロコロイドは剥がれなければ丸々1週間貼りっぱなしにしていただいております。もちろん、お風呂も洗顔も可能で、テープの上からお化粧もしていただけます。
処置後、テープを貼っていると数日で瘡蓋が浮いてきますので、テープの下に少し黒い色が出てきます。
ですから、処置後約1週間後に外来で診察に来ていただく必要があります。

Qスイッチルビーレーザーの経過症例

照射前から照射から19日目までの経過症例をご紹介しております。

Qスイッチルビーレーザー症例

Qスイッチルビーレーザーの欠点

赤みが数ヶ月残る方がいる(体質による)

Qスイッチルビーレーザーも欠点と言いますかデメリットもあります。
必ずではありませんが、照射後、瘡蓋がとれた後に少し赤みが2~3ヶ月続くことがあります。
追加照射する場合はこの赤みが引くのを待つ必要があります。
赤みは経過とともに大体は徐々に減ってきますが、体質により赤みが長期間ほんのり残る方がいらっしゃいます。

炎症後色素沈着(PIH)が出る可能性

一番の欠点とも言えるのですが、約3割くらいの方が炎症後色素沈着を発症します。
レーザーの熱エネルギーが原因で出来るシミのことです。
見た目は再発したように見えるため、皆様もう一度レーザーを照射してほしいと言われます。
しかし、レーザー熱で発生した炎症後色素沈着の治療にレーザーを用いると余計に濃くなってしまいます。
ですから、炎症後色素沈着の治療はハイドロキノン軟膏いう塗布薬を使って頂きます。
約3ヶ月間、長い場合は6か月間程1日1回ハイドロキノン軟膏を根気よく塗り治療していきます。
人によりますが、内服薬も併用することもあります。

Qスイッチルビーレーザー処置後の注意点

治療後の注意点は日焼けです。

これは光治療(IPL)でも同じことが言えますが治療後は肌が敏感になっているため、紫外線予防ため日焼け止めの使用や直射日光を長時間浴びることを避けていただいています。(この期間に紫外線をたくさん浴びるとシミが出来やすい)
ですから、日差しの弱い季節(秋から冬)に処置されることをおススメしています。

肝斑へのレーザー照射は原則NG

シミは光治療やイオン導入、内服軟膏などその種類に合わせて適切な治療を選択する必要があります。
例えば、肝斑にレーザーを照射すると固定化といい、色素がなかなか抜けにくい状態になるリスクもあるため的確な診断と慎重な治療法の選択が求められます。
よく「先生、肝斑治療はレーザーでも出来るんじゃないでしょうか」と聞かれることがありますが、肝斑は炎症性の変化だと私は考えています。つまり、レーザー照射は悪化リスクがあるという考えです(刺激を与える行為は悪化させるという理屈)。

(Qスイッチルビーレーザーは)あざ治療にも有効

扁平母斑は保険適用治療

QスイッチルビーレーザーのThe Ruby Z1は照射モードを切り替える機能があります。深在性色素疾患への高い効果と深達性があり、茶あざ、扁平母斑などにも有効な治療器です。
扁平母斑のあざ治療には保険が適用できます。
正確に言うとQスイッチルビーレーザーが保険適用となっています。

ただし、均等に色が抜けないケースがある

Qスイッチルビーレーザーであざ治療を行うのですが、人により均等にあざが消えず斑(まだら)になる方がいらっしゃいます。
色合いや面積、濃さから斑になる可能性も含めて診断し、治療するか否かをご判断します。

茶あざは再発しやすい

因みに茶あざは綺麗に抜けた後でも再発する確率が高いです。

Qスイッチルビーレーザーが処置できない人

・妊娠中の方
・てんかんをお持ちの方
・ぺースメーカーや埋め込み型の除細動器のある方
・処置部位に金属プレートが埋め込まれている方
・処置当日、皮膚状態が悪い方(蕁麻疹や皮膚感染症、ヘルペス、1ヵ月以内の日焼け)

Qスイッチルビーレーザーの治療につきましては治療ページにかなり詳しく記載しております。ご興味ある方は是非一度ご覧ください。

Qスイッチルビーレーザー

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