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美容皮膚科が提唱する肝斑治療法はコレ

しみ
2020.06.19.金曜日
しみ | 2020.06.19.金曜日

シミ治療について連続して5本目のご紹介になります。

【シミ治療1】シミ治療は診断を誤ると悪化させるリスクあり?!
【シミ治療2】シミ治療の種類を徹底解説
【シミ治療3】光治療(IPL)の特徴や種類、選び方など治療詳細について
【シミ治療4】Qスイッチルビーレーザーについて徹底解説

これまで何度か肝斑の特徴やメカニズム、治療法について触れてきました。

長年美容皮膚科として肝斑と向き合ってきた中で、肝斑の有効な治療法として当院ではオリジナルの組み合わせ治療を肝斑治療(肝斑レギュラーコース)として取り扱っています。

今回、この肝斑レギュラーコースについてご紹介させていただければと思います。

肝斑は何故起こるのか。そして、治療法はどう選ぶべきか

肝斑の治療法をインターネットで調べますと様々な治療法が出てきます。
多くの方は、自分がどの治療を選択するべきなのか判断が難しく迷っているかと思います。
中には、処置後の口コミ等を1つ1つ確認し、判断していく方もいらっしゃいます。
肝斑治療は処置する側も同じで、数ある治療法をどのように選択するか大変悩むところです。
ただ、長年美容皮膚科として肝斑を治療してきた中でトータル的に考えると肝斑の起因は炎症だという結論に至りました。
肝斑は色々な原因が考えられますが、やはり一番は炎症性のものだと考えています。多くの先生方の中でも肝斑の原因は様々な意見がありますが、少なくとも当院が治療してきた経過や処置後の効果などを総合的に研究した結果、行きついた答えです。
例えば、長い年月の間に女性の方は毎日お化粧をされるわけですから、お化粧をしている時に刷毛やブラシを使ったり、手を使ったり、お化粧を落とす時にクレンジングなどを使用して擦ったりと慢性的な刺激が肝斑の原因の1つと考えています。
また、顔面は自然と一番日光を浴びやすい部位でもありますので、そうした外部からの刺激が慢性的な炎症の原因と考えています。
つまり、あくまでも私の意見ではありますが、極力刺激を与えない治療が肝斑治療にとって適切だと考えます。

刺激の少ない肝斑専用治療法「肝斑レギュラーコース」

肝斑レギュラーコースは、大きく6工程の治療処置を行います。

1.皮脂除去

治療を始める前に余分な皮脂を丁寧に除去し、ピーリング剤の浸透性を高めます。

2.オリジナル調合のケミカルピーリング

まず、初めにピーリングです。ピーリングは種類や濃度を患者様に合わせて毎回調整する当院オリジナル調合したピーリング剤を使用します。このピーリングで表皮の角質や角質に付着したメラニンを取り除き、表皮の浸透力を高める状態を作ります。
ニキビ治療にもケミカルピーリングは有効でニキビ治療にも用いることがあります。
ただ、昔のようなズル剥けになるような深いピーリング(ブルーピーリング、フェノールピーリングなど)とは異なり、当日お化粧をして帰っていただくことのできるピーリングですのでご安心ください。
また、このピーリング処置をすると一時的に皮脂が増えたり、稀ですがニキビが増える方がいらっしゃいます。
これはターンオーバーが促進され、籠っていたものが一時的に出る現象ですのでご安心ください、とお伝えしています。

3.イオン導入

ピーリングで成分が浸透しやすくなったお肌にイオン導入、具体的には浸透性の高いトラネキサム酸を導入します。導入力を高めるため、弱い電流を流すバイオセルロースマスクを使用し浸透力を高める工夫を施します。
ほとんどの物質には極性があり、プラスマイナスを持っています。例えば水もそうで、極性といいます。
電流を利用することで、浸透させたい物質を浸透させるのがイオン導入です。
このイオン導入は「美白」「抗炎症」などの作用があり、肝斑や色素沈着に有効な成分を浸透させます。
電流を流すと聞くとビリビリするんじゃないですか? と聞かれることがありますが弱い弱い電流のため、ほとんど感じることはありません。(ペースメーカーや除細動器、金属プレートを埋め込んでいる方へは処置はしません)

4.ビタミン導入

次に、ビタミンA・C・E+βカロチンを引き続いてイオン導入します。皮膚細胞に働きかけ、メラニン色素生成を抑制し、皮膚内に沈着したメラニン色素を分解していきます。また、基底膜のダメージを回復させる作用のあるD-アラニンも導入し、ターンオーバー促進を促します。

5.ミネラルパック

処置後の鎮静効果、保湿保水効果のために海藻由来のミネラルを含んだ「アルジネートパック」を行います。
通電性が高まり、イオン導入やビタミン導入の成分を深部まで浸透させる役割を担います。

6.ホームケアの処方

そして治療のもう一つのポイントはホームケアの処方です。
当院で処置する治療だけで終わりではなく、自宅でもケアを継続することが肝斑治療においては欠かせません。
ですから、オリジナル調合したハイドロキノン軟膏、又は人によってハイドロキノン+トレチノイン酸軟膏を処方します。
ハイドロキノンはシミを抑える医療用成分です。トレチノイン酸は皮膚のターンオーバーを促進する作用があり、溜まっているシミを追い出す効果があります。
「じゃー先生、トレチノイン酸が混ざった軟膏の方がいいんじゃないですか?」と質問をいただくのですが、当院が調合するトレチノイン酸はトレチノイン酸の中でも作用が強い「オールトランスレチノイン酸」を用います。効果をしっかり出すための配合にしているため、皮膚のターンオーバーを促進する作用が強い分、赤みが強く出たり、角質の剥がれが強く、慣れないうちは苦手という方がいらっしゃいます。
ですので、初めはハイドロキノン単独から始めていくことが多いです。

因みに当院ではこのトレチノイン軟膏をオリジナル調合して自宅で出来るたるみ治療薬としても処方しています。
外部医薬品として売られている化粧品に配合されている有効成分よりも高濃度に配合した処方薬です。
ご興味がありましたらそちらも参照ください。

『塗る”たるみ”治療』オールトランスレチノイン酸軟膏

処置後のリスクは?

シミ治療全般に言えることですが、処置後は刺激を受けやすい状態になっているため日焼け予防のため日焼け止めを塗ったり直射日光を避けていただくなどは意識いただいております。

治療の効果やその期間は?

よく治療期間や効果について質問を頂きます。
こういう言い方をすると元も子もないのですが、治療を途中でサボると肝斑は元に戻って濃くなることがあります。
ですので、根気よく治療を続け、毎週というところまでは必要ありませんが、1~2ヶ月に1回くらいの定期的に外からの治療(肝斑レギュラーコースのような治療)を実施することが大切です。
治療に掛かる期間は肝斑の位置や濃さ、深さなどにより本当に人それぞれですし、ホームケアの具合によって驚くほど差が開きます。ですから、早い人で数ヶ月、長い方ですと1年以上かかることもあります。
肝斑治療は内服薬も重要になってきます。内服薬についてはまた改めて詳細をご紹介したいと思います。

シミ治療に役立つ美容医療情報や、自宅でできるアンチエイジングや美容医療の治療方法について詳しく動画で解説しております。ご興味がありましたら、Youtube動画もご覧ください。

つかはらクリニックチャンネル(動画で解説)

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