よく患者様に「肝斑なのかシミなのか判断が難しく、自分に適した治療が判断できない」とご相談いただくことがあります。

シミと言ってもいくつかの色素疾患に分類されます。
その中でも肝斑は有名なのでご存じの方も多いと思います。

ある程度年齢を重ねると顔がくすんできたり、少しクマのようにまぶたの下に色が出てきた等…。

そのような悩みを抱えていらっしゃる方は非常に多いと思います。
シミはシミの種類ごとに治療法が異なります。
シミの種類の診断、つまり色素疾患の正確な診断がシミ治療においては大切になります。

シミの種類その１：日光色素斑の特徴

日光色素斑はポピュラーなシミの代表格ともいえるシミです。
別名で日光黒子とも言います。老人性色素斑もこの類になります。

主に紫外線の影響で発生するシミです。若いころは日焼けをしても新陳代謝が良好なため、シミにはなりにくいのですが、昔に浴びた紫外線の影響が40~50代になってシミとして出てくるのが日光色素斑です。
年月をおいて出てくることからシミ爆弾と表現されています。

シミの種類その２：そばかすの特徴

そばかすは日光色素斑の次に多いシミです。
美容医療の専門用語では雀卵斑（じゃくらんはん）と言います。
このそばかすにはいくつか特徴があります。

子供の頃からある

そばかすは遺伝性のものです。
お父さん、又はお母さんがそばかすの方はお子様はそばかすになりやすいです。
日本人は割と少ないですが、白人の方に多い傾向があります。

鼻を跨いで左右対称

最大の特徴はほぼ左右対称で鼻を跨いで発生します。

1つ1つが小さい

1~2ミリ程度、大きくても3ミリぐらいです。
パッと撒いたような散らばり方で発生します。

このようにそばかすは特徴が分かりやすいため、診断が容易です。

シミの種類３：炎症後色素沈着（PIH）の特徴

炎症後色素沈着、言葉の通り、炎症が起こった後に発生するシミです。
Post-Inflammatory Hyperpigmentation（PIH）と呼んでいます。
例えば、ニキビ跡もこの炎症後色素沈着です。
また、火傷痕や怪我の痕も炎症後色素沈着です。
この炎症後色素沈着はシミの治療においてレーザー処置後に発生するケースがあります。
レーザーは比較的高い出力で照射しますので、一定の確率で発生します。
こちらもきっかけが分かっているので診断として難しくはありません。

シミの種類４：肝斑（かんぱん）の特徴

典型的な肝斑は頬の頬骨の一番高い位置に左右対称的に逆三角に出てきます。
典型的なものは診断は簡単なのですが、複雑な肝斑も存在します。
例えば、左右非対称のケースもありますし、おでこに出てきたり、片方の頬にだけ出てくるケースもあります。
こうしてバラバラに出てくる肝斑は診断が非常に難しいとされます。
ただ、肝斑には通常のシミとは異なる特性がありますので、その特性から診断をします。
例えば、女性の方の場合、生理周期によって濃くなったり薄くなったりします。
さらに１日の中でも変化する方もいらっしゃいます（朝と夕方で違う）。
ですから、日内変動、月内変動を診断指標とします。

他にも大きな特徴があります。
それは年齢です。
２０代ではほぼ肝斑は発生しません。
多くは３０代後半から発生する症例が多いです。
ですから、３０代後半から出てきて、頬の両方に対照的に逆三角形、そして日内変動、又は月内変動があるとすればより高い精度で肝斑と診断できます。

その他：脂漏性角化症の特徴

４種類のシミをご紹介させていただきましたがそれ以外に「脂漏性角化症」という病態があります。

他院の先生でこの脂漏性角化症もシミの一種と分類される方がいらっしゃいます。

別名で老人性イボとも言います。年齢を重ねると頬にある程度の面積をもって膨らんで出てくる茶色い褐色のシミのような特徴があります。表面より少し浮き上がって膨らんでいる特徴があることから、当院ではシミというよりは腫瘍と分類しています。

（ただ、シミの１つとして考えていくことも必要かと思いますので、簡単にですがご紹介させていただきました）

シミは正確な診断が不可欠

このようにシミには様々な種類が存在します。
そして、それぞれ適切な治療法が異なります。
シミの治療は正確な診断が不可欠ですが、中々自分で正確に診断するのは難しいのも事実。
やはり、私たちのような専門家による診断に頼ることも治療するうえではご活用いただければと思います。
自分のシミがどの種類のものなのか、把握し、適切な治療法をアドバイスさせていただきます。
気になる方はご予約いただければ、診察させていただき、正確に診断させていただきます。

次回、具体的な治療法についてご紹介したいと思います。

シミ治療に役立つ美容医療情報や、自宅でできるアンチエイジングや美容医療の治療方法について詳しく動画で解説しております。ご興味がありましたら、Youtube動画もご覧ください。

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