当院でもよく患者さまからも、「エステってどうですか?」「エステに通うのは意味はありますか?」と聞かれることがあります。みなさん美容クリニックとエステの違いについて、悩まれることが多いようです。
エステで行う処置は医療行為ではありませんが、「エステは効果がありますか?」と聞かれることもあります。多くの方が美容クリニックとエステの違いを混同しているような印象です。
そこで今回は、エステの施術とクリニックでの施術、テクニックの違いについて私の意見を述べさせていただきます。
エステ VS クリニック、結局どう違うの?
まずハッキリしておきますが、エステで行う施術は「治療」ではありません。そのため、劇的な効果が期待されるものではりません。
一方で、エステに通われている方の中にはエステで「肌の状態が維持できている人」、「老けが気にならない人」などもいるという意見もあります。
これはエステティシャンによるテクニックが理由かもしれません。例えば、マッサージで一時的にリフトアップされたような実感を得ることもあるでしょう。ただ、実際には強いマッサージをすることによって靱帯や皮膚組織が伸びてしまい、顔の皮膚のたるみの原因になることもあります。一概にマッサージが優れているとは言い難いのです。
効果はエステティシャンのテクニック次第!?
しかし、テクニックが高いエステティシャンの場合には、少し話が変わってきます。
難しいことだとは思いますが、仮に細胞への軽度な刺激がエステティシャンのマッサージで可能だとします。刺激を加えた部分からケミカルメディエーターや皮膚の修復過程がはじまり、この修復過程によって肌や皮膚を若々しくキープできるかもしれません。
なお、美容クリニックでは機械によりお肌に無害な軽い炎症を起こし、肌のエイジングケアを行います。この軽い刺激や炎症を起こすのは、人の手技ではかなり難しいと思います。肌や皮膚に害にならない程度の軽い炎症をエステティシャンのマッサージで起こすことは、とても難しいからです。
もしも仮に、マッサージによって軽い炎症反応を起こせるのであれば、エステにかかる価値が高まるのではと思います。
美容クリニックでの施術と効果は??
美容クリニックでは、機械を用いた治療で軽い炎症を起こす方法が標準化できています。
つまり、美容クリニックでは一定の結果を出すことができる、エビデンス(科学的根拠)を伴う治療を受けられます。
エステによる施術が無意味と言っているわけではありませんが、美容クリニックとエステでの施術の大きな違いは、エビデンスに基づく治療効果が安定して得られるかどうかがポイントです。
例えば、超音波治療などにおいては、あらかじめ結果が実証された以下の設定を行い、、施術の条件を設定します。
● 深さ
● 温度
● 範囲の広さ
皮膚内に害にならない程度の軽い炎症反応を起こして、皮膚の修復反応を引き起こすことができます。これらの治療は全て、すでに証明された方法であり確立されています。
すでに証明された治療方法を用いることで、美容クリニックでは一定の治療効果が期待できるのです。
また、エステは医師ではないエステティシャンによる施術、美容クリニックは医師が行うという点も、言うまでもありませんが大きな違いでしょう。
結果が確実どうかの違い
今回は私の個人的な意見も含まれています。
エステと美容クリニックは全く用いる技術もエビデンスも異なります。エステが無意味というわけではありませんが、安定した結果を得るならば美容クリニックがおすすめです。
美容クリニックには、すでに証明された技術、エビデンスを元に治療を行います。この「すでに証明されているかどうか」、「結果が確実かどうか」という2点がエステと美容クリニックの大きな差かと思います。
エステにおける効果も様々で、リラクゼーション効果は充分できます。
目的に応じて、エステと美容クリニックを使い分けて通っていただけたらなと思います。もちろん医学が全てを叶えるというわけでもありません。目的に応じて判断していただき、通い分けていただけばと思います。