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『塗る”たるみ”治療』オールトランスレチノイン酸軟膏

しわ、小じわ、たるみ
2020.03.02.月曜日
しわ、小じわ、たるみ | 2020.03.02.月曜日

先日「自宅で出来るたるみのセルフケアはありますか?」と患者様から質問を受け、たるみ予防の塗り薬であるビタミンA誘導体のトレチノイン軟膏を、このブログでご紹介させていただきましたところ、もう少し詳細をお聞きしたいという患者様が多かったため、ご紹介させていただこうと思います。

◆前回のご紹介内容
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自宅でたるみ治療・予防はできるのか
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たるみ予防として謳われている外部医薬品の化粧品や塗り薬にはビタミンAが用いられていることが多いです。当院では、その効果効能をしっかり出すために、比較的反応の強いビタミンAの誘導体トレチノインを用いた軟膏を院内で調合し処方しています。

市販の化粧品はその成分として使えるものに制限があり、当然濃度にも限界があります。ですから、ビタミンA誘導体の中でも作用の強い成分は医薬品外品だとしても入れることはできません。とはいえ、たるみ予防のキッカケとして化粧品を使う分には良いと思いますし、効果も少しはあると思います。しかし、もっとしっかり効果を出したいという方にとってはビタミンA誘導体の中でも異なる種類、異なる濃度のものを使用する必要があります。

当院ではビタミンA誘導体の中でも最も効果の高い「オールトランスレチノイン酸」というものを用いています。オールトランスレチノイン酸による皮膚の治療、肌の治療というのは元東京大学の形成外科におられた先生が日本に導入し、開発されたもので当院はその方法をモディファイ、つまり当院に合う形に変更して軟膏として調合しています。

最初のオリジナルの方法はオールトランスレチノイン酸をゲルに混ぜて作られており、軟膏よりもゲルの方が強く反応が出るため、塗布後、皮膚表面が真っ赤になりヒリヒリするような状態になります。

中々一般の生活を送る上では症状が強いため、当院では軟膏基剤にすることでオールトランスレチノイン酸の反応が極端に出過ぎないよう工夫してオリジナル軟膏となっています。当然、軟膏とはいえ、化粧品よりもしっかり効果が出るよう作っております。

これだけ強い成分と濃度を配合しておりますので軟膏でも反応が強くでることがあります。まず、塗り始めるとほんのり赤くなり、角質がポロポロめくれ肌の乾燥が強くなります。その程度によって塗布の頻度や量、間隔を適度に調整する必要があり、やはり肌の状態に合わせた適切な医師の指導が必要なお薬になります。そのため、窓口で簡単にお薬だけをお渡しすることができません。必ず最初に1回診察を受けていただく必要があります。

また、オールトランスレチノイン酸の特徴として、一度塗布を中止し、数週間から数ヶ月間隔を空けて塗布を再開すると赤みが強く出る傾向があります。その赤身の程度によって継続して塗布する量や頻度、間隔も私のような専門家の細かい指導が特に初めのうちはやはり必要です。

似たような化粧品や薬を売るだけ売って、赤くなるとすぐに、“かぶれたから、あなたには合わないと”、決めつけてしまう先生が時々おられますトレチノイン自体の効果が出ている赤みと、かぶれによる赤みは違いますので、簡単に諦めてしまうと、せっかくの効果を出すことができないので、その症状を見極める必要があります。

この調整を上手に行うことでたるみの予防、老化の予防になります。また、オールトランスレチノイン酸はニキビを減らす効果もあります。海外では、このビタミンAの誘導体を飲み薬として発売されているくらい有効な成分です(服用の場合は副作用があるため、簡単に勧めることはない)。

さらに毛穴にも効果があります。例えば、お鼻に塗布することで皮脂を減らし、皮膚のターンオーバーを促し毛穴を目立ちにくくする効果が得られます。

当院ではオールトランスレチノイン酸だけではなく、ビタミンAの誘導体が含まれた化粧品も取り扱っています。もし、オールトランスレチノイン酸程効能が強いのは抵抗がある、という方はまずは濃度の低い化粧品からセルフケアを始める取っ掛かりとしてはお勧めです。

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