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【ヒアルロン酸注射】ヒアルロン酸注射は安全か?手技について

ヒアルロン酸注射
2019.01.09.水曜日
ヒアルロン酸注射 | 2019.01.09.水曜日

シワの治療として、わたしたちがが頻繁に行っているヒアルロン酸注射は安全なのでしょうか?

まず製剤自体は、厚生労働省認可のものを使う限りは安全性が保証されていると考えてさしつかえありません。しかし、お国が認める安全な物でも、それを使う方が正しい使い方をしなければ、極端な話ですが凶器にもなりかねません。まず、最小限の基本的な使用方法をヒアルロン酸製剤の能書から振り返ります。リスク管理です。

1. 血管内に注入しないこと。[血管閉塞、塞栓、虚血又は梗塞 等の原因となることがある。]

失明や皮膚壊死などの重大な副作用は、ヒアルロン酸注射製剤を過って血管内に注射してしまうことによっておこります。この危険を避けるために、まずわたしたちはどこに血管が走行しているかを把握した上で処置を行います。たとえば、失明のリスクがある眼角動脈はどの部分からどの方向にどの深さを走行するかを理解しています。それでも、それぞれの人相が違うように、血管の走行もまちまちです。解剖がわかっているから大丈夫と過信せずに確認をおこたりません。注射をした瞬間に、針の先端が血管内に入っていないか確認するために吸引操作を行い、血液の逆流がないことを確認した上でヒアルロン酸を注射していきます。

2. 側副血行路が乏しい領域(例えば、眉間、眼窩周囲(目尻の しわ等))へは注入しないこと。[血管への誤注入あるいは血 管や神経の圧迫等により一過性又は非可逆性の視力障害/失明、脳卒中(脳虚血、脳出血、脳梗塞)の誘発及び鼻翼等の 壊死、顔面皮下組織の障害を引き起こす可能性がある。]

この注意は、タームナルアーテリ(終端動脈)のことです。血管は身体中に網目のようにはりめぐらされているのはみなさんご存知だと思いますが、体のある部分では、1本の動脈だけが血液を供給する部分があります。その動脈が閉塞した場合、その動脈の支配領域には血液がとどかず、組織壊死や失明、梗塞などが生じます。上でも書いたように、注入部位の顔面解剖学を十分に理解した上でヒアルロン酸製剤使用することは当然のことですが。万が一注入時又は注入直後に血管内への誤注射じている兆候(視力異常、脳卒中、皮膚青 白化、異常な痛み)がみられたら、直ちに注入を止め、迅速にその治療を開始します。

3. 炎症反応(嚢胞、座瘡、発疹や蕁麻疹等)のある部位又は感染部位には使用しないこと。[炎症や感染を悪化させるおそれがある。]

これは、注射前に皮膚の状態をみれば判断出来ることなので問題になることはありませんが、皮膚表面からはわからない隠れた炎症があった場合は、注射後数日や数週間経過して感染が生じ膿瘍となることが極々まれにあります。昔、その部分にけがをしたことがあるとか、歯肉炎があるとか、耳鼻科や歯科で切開などの治療をしたことがある場合に起こりやすいように思います。もちろん、そのような既往症がなくても感染症や炎症の合併症が起こる可能性はありますので、わたしたち医師は清潔操作を心懸け処置後の経過に注意をはらう必要があります。

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