ときどき色が青みがかって見えるホクロがあります。比較的若い人に多く、手足によく見られます。その名の通り青色母斑と呼ばれ、普通のホクロとは区別する必要があります。
治療する上で青色母斑かそれ以外かを判断することは大変重要です。青色母斑は一般的なホクロに比べその深さが大変深く、表皮や真皮深くまで存在し、脂肪層が薄い人の場合は筋肉の手前までその深さが及びます。
大きさは比較的小さいものが多く、簡単にとれそうに見えるため、医師側も安請け合いをして、すぐに取ってしまうことがあるのですが、たとえばレーザーで削りはじめると、その深さに驚き、筋膜が見えるくらいまで削らなければならないこととなります。
そのように青色母斑は深く削る必要があるので、顔の青色母斑は陥没として残る可能性があります。
また、手足に多いので、取った跡がケロイドや肥厚性瘢痕になりやすく、顔とは逆に膨らむ傾向があり、特に隠せない部分の手の甲はキズ跡が目立ってしまいます。手の甲は、いわゆる”根性焼き”のやけど跡のように見えることがあるので、手の甲のホクロを取る際には注意が必要です。
だから、青色母斑は切って取った方が良いということではなく、特に青色母斑は深いので、場所によって慎重に取らなければいけないということです。
追記2020.5.11
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