ほくろは皮膚の腫瘍性変化ですので、治療は削るまたは切る方法で、除去することとなります。仮に黒い色素成分けを抜いたとしても、ほくろの腫瘍成分(ほくろ細胞)は残ってしまいますので、ほとんどが炭酸ガスレーザーなどで削って取ります。
ほくろをレーザーで取るときに、くりぬくように深く垂直に削ることもありますが、その方法だと傷が閉じても陥没の危険があります。処置後の陥没リスクを避けるために、私はほくろ周囲の皮膚も最小限含めて、なだらかなカーブを描くように削ります。
削るタイプのレーザーはほとんど、スキャンシステムを備えていて、皮膚や腫瘍を面で削ることができるように設計されています。その最小面積は機種によって違いますが、当院の炭酸ガスレーザーは5mmほどです。
ほくろを削った後の皮膚面をできるだけ滑らかにするために、弧を描くようになだらかに面で削るので、どうしても処置した部分は、最低でもこの5mmの大きさとなります。
特に1~2mmのほくろをとる場合は、いったん削った部分が5mmほどになってしまうので、傷が閉じた(上皮化した)後も、一時的にですが、かえって目立つことがあります。
黒く隆起した状態を化粧で隠すことは難しくても、赤くて平ら、または赤くて少し陥没した状態のほうが隠しやすいので、困ることはありません。
ほとんどはその後、この赤みは薄くなって周囲の皮膚の色と同化しますが、数ヶ月間は我慢していただかないといけない時期があります。その時期を初診時には、6ヶ月ほどと説明しますが、実際にはそれよりも短い期間で赤みは消退してしまいます。
ほくろの徹底解説シリーズ