割と高年齢の方に人気の水光注射について先日質問を頂きました。
通常のヒアルロン酸とどう違うの？どういう人にそもそもお勧めの治療なのですか？という質問です。
せっかくですので、詳しくご紹介させていただこうと思います。
水光注射とはどういう治療なのか？
水光注射（すいこうちゅうしゃ）と言い、肩などに注射するものとは違い、お顔にヒアルロン酸を注入する美容注射になります。
この水光注射ですが、大体2cmくらいの直径の丸い筒状の先端に5つの針がついており、丸い筒を直接皮膚に当て吸引することで、5つの針が直接皮膚に刺さり、その際に薬液が注入されるのが水光注射の原理です。
もともと水光注射のオリジナルは韓国で作成された治療です。吸引して針を刺し、直接皮膚に薬液を注入する原理は同じなのですが、日本に伝わってきた方法は少しアレンジされており、日本ではオリジナル程深く針を差しません。日本では比較的浅めにお顔全体に注射していきます。
満遍なく皮膚にヒアルロン酸を注入でき、手で注射器を使って入れていくよりも短時間で注入ができる優れた治療器です。
オリジナルは深くに注射するため、処置後は顔中血だらけになるのですが、日本の場合は浅めですので、オリジナル程出血はありません。
一般的なヒアルロン酸注射とどう違うのか。
よくヒアルロン酸注射とどう違うのか質問を頂きます。
大きな違いは、そもそも注入するヒアルロン酸のタイプが異なります。
水光注射のヒアルロン酸は比較的柔らかくてサラサラな非架橋のヒアルロン酸を用います。
注射で深い部位に注入するヒアルロン酸は割と硬めで持続性の高いヒアルロン酸を用います。
そして、打つ深さも異なります。注射のヒアルロン酸はどちらかというとボリュームを補う場合に用いますので深く注射します。
水光注射は皮膚内に薬液を均等に注入することが目的の治療になりますので浅く注射します。
後述しますが、水光注射の場合、薬液にはヒアルロン酸だけでなくボトックスやビタミン剤などを混合し、お肌の状態や目的に合わせて注入する薬液を工夫するという特徴があります。
注入部位は頬、おでこ、顎、眉や首にも打つことができます。
お顔全体にハンコ注射をしていくイメージです。
水光注射はどういう人におススメなのか。
乾燥肌の人です。
その上で、お肌の小じわやキメを整えたい人、お肌にハリを取り戻して化粧ノリを良くしたい人にはとても相性の良い治療です。
美容レーザーやピーリング処置はだいたい副作用として乾燥が出やすくなります。
しかし、水光注射は柔らかいヒアルロン酸を直接浅い皮膚に注入しますので、乾燥の副作用がありません。
むしろ瑞々しいハリやキメを整える効果があります。
また、すぐに実感は得られませんが、肌に対する刺激によって肌のハリもよくなります。
治療間隔ですが、他の美容治療は少し副作用がありますので、一般的には3－4週間の間隔が必要です。
しかし、水光注射は短く、最初のうちは月2－3回ぐらい少し短めに数回処置し、その後メンテナンスで1ヶ月に1回くらいのペースがおススメます。
水光注射は何を混ぜれるのが良いのか
水光注射はヒアルロン酸と一緒に色々なものを混ぜて打っていきます。
一番人気なのはボトックスです。皮膚の浅いところにボトックスを打つ「マイクロボトックス」という治療があります。
柔らかいヒアルロン酸にボトックスを混ぜて打つことによって毛穴が引き締まったり、お肌がキュッと引き締まったりする効果を出すことができます。
水光注射はヒアルロン酸に加え、このマイクロボトックスを同時にできることになります。
水光注射だけと、水光注射＋ボトックスの両方を体験された患者様のお話を聞きますと、やはりヒアルロン酸＋ボトックスの水光注射の方がお肌のハリの実感は良いという風におっしゃられます。
それ以外にもステムセルの培養上澄み液（幹細胞）やマルチミネラルビタミン（総合ビタミン剤）を合わせて水光注射を打つこともあります。
症状やお悩みに合わせて適切に判断し、ご提案させていただいています。
水光注射を選ぶときの基準
インターネットを見ると水光注射という名前のついた注射がものすごい種類が出ていると思います。
当院も長年水光注射をさせていただいていますが、先に結論を言うと一番のおススメはやはりヒアルロン酸＋ボトックスの水光注射です。
実際やっている中で実感の良いのはボトックス入りの水光注射です。
他にもシミを取る効果のある成分を混ぜて打つケースもありますが、初めての方や乾燥肌が良くなって肌のキメが良くなって小じわが取れたり、ハリが出てきて化粧ノリがよくしたいという目的でやっていくのであればヒアルロン酸単独の水光注射もあります。
ただ、ご自身の状態や症状を診察時にお伝え頂ければ、その症状に応じた水光注射をご提案させていただきますので、自分に合った水光注射、やってみたい水光注射が分からない場合はお気軽にご相談ください。
他にも当院では導入しておりませんが、フィロルガ社の製剤を水光注射に混ぜて打つ治療が他院であります。
シャネル注射という風に呼ばれています。
総合的に色々なものが入っているので、便利かもしれませんが、当院ではやはり安全性を優先し、しっかり安全が担保された国の認可の下りた製剤に限定しています。
医師は個人の責任のもとに海外から色々な製剤を取り寄せ、それを患者様に提供することができます。
中には海外でも認可されていない製剤なのに日本に輸入できるものもたくさん存在します。
当院ではそういった製剤は使わないようにしています。新しいから良いという訳ではありません。
ただ、そういった製剤の中にも良いものはありますので、時間の経過とともに安全性が確認されてくれば、製造元の国で認可されることもあるでしょうし、そうなると当院でも扱う可能性も出てくるかもしれません。
水光注射に関してYoutubeでも動画をアップしております。
より分かりやすく解説しておりますので、是非動画もご覧ください。
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