医師への憧れを漠然と持ったまま、高校受験の季節を迎えました。周囲の受験に向けての雰囲気の中で、中学生の私はなんとなく勉強をしていました。成績が悪かったわけではないのですが、かと言ってずば抜けて成績が良いわけではなく、少年のころの医師になる夢も少しずつ薄らいでいました。
そのころの同級生には、後に京都大学や大阪大学に進学した大変優秀な人が多く、そういう秀才に比べて自分の成績は普通程度でした。そのころの私は、自分に分相応な無理なく入れる高校に進学できればばいいなあ程度に進路を考えていました。ところが、ひとりの先生のひと言が、その後の私の人生を大きく変えることになります。
私立高校の受験が終わり、私立高校に合格が決まったあとの出来事です。私立高校合格で満足した私は、その後の公立高校を受験せずに、その私立高校にいくと言い出したのです。そんな私のわがままに最初は親は怒りましたが、私がそのつもりなら、次回の三者懇談で担任のY先生に、そのことを自分で言いなさいとあきらめました。
その日は今もはっきり覚えています。三者懇談の日。Y先生に、私は公立高校を受験せずに私立高校に進学すると告げました。親と同じように少し怒られて、あきれられると思っていましたが、Y先生の返事は違っていました。”どっちみち公立いかへんのやったら(いくつもりがないのなら)、”ミクニ”受けるか?”。
ミクニ?三国とは大阪府立三国ヶ丘高校(三国丘高校)のことです。私の受験する学区の中で最も優秀な公立高校です。歴史も古く諸先輩には、大変有名で優秀な方々が多く、各方面でご活躍されています。そんな最高に難しい高校に自分が受験することなどと考えたこともなかったので、私と母は、まさに鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていたと思います。(つづく)
医師へのあこがれ | 2008.11.08.土曜日
おお、だんだんワクワクしてきました!
人生を変える、誰かのひとことってあるんですね。
続きが早く読みたいです。