私が学生時代、当時第２内科助手をされていたＭ先生から薦めれた本です。
オスラー博士は、１９世紀の人ですが、”近代医学の父”と呼ばれ、今も尊敬され続ける存在です。そのオスラー博士の講演集です。文章に大変多くの引用がされていて、日本語でも読んでも骨が折れるくらい、造詣が深い文章で構成されています。
現役ベテラン医師のみならず、将来医師になる医学生や研修医の先生にも読んで頂きたい一冊です。医師のあるべき姿を、高尚な言葉を綴って、海図のように私たちに指し示してくれます。
理想と言うよりは、医師はどうあるべきかを教えてくれます。若き血気盛んな医学生の頃に感じた医師へのあこがれと、医学への情熱を忘れないようにするために座右の書となっています。

翻訳は、聖路加国際病院の理事長である日野原先生です。日野原先生は米軍軍医から、この”平静の心”を譲り受け、オスラー博士に傾倒していったそうです。聖路加国際病院には、オスラー・ライブラリーまであるそうです。
”平静の心”は文章は難しいですが、オスラー博士が教えるところは明確です。医師は、いかなる時も、心を平静に保ち、そして目の前のことに集中して、精一杯やりなさいということです。
多忙な日常をおくっていると、大切なことを忘れがちになります。そんなときは、少々難解ですがオスラー博士の”平静の心”を読むことで、純粋な気持ちに戻れます。

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