まず、
ホクロをとると
皮膚癌になる
というのは、
間違いです。
正確にいいますと
ホクロに見える
皮膚癌を取ると
取り残しの部分が
拡大したり、
一部転移する
可能性がある
ということです。
皮膚癌の中で
最も悪性度の高い
悪性黒色腫には
いくつか特徴があり
診察の段階で
疑いがある場合は
その場で切除したり
レーザーで取る
ことはしません。
悪性黒色腫は
命にかかわる
ことなので、
取る場合は、
大きな病院で、
拡大切除の準備をし
必要に応じ
化学療法の計画を立て
治療する必要があります。
明らかに悪性黒色腫と
判断した場合は、
取る取らないを
言っている場合
ではありません。
早急に適切な
治療が必要です。
しかし、
ほとんどのホクロは
悪性黒色腫の基準に
当てはまらないので
現実の診療の場では
取ってみて病理検査
しないと、
良性か悪性かは
わかりません。
悪性の可能性が
低いと判断した場合は
外来でほくろを
とりますが、
病理検査を行い、
万が一悪性の結果が
出た場合は、
その悪性度に応じて
拡大切除や
化学療法を行います。
診察で、
悪性の可能性が
低いか高いかの
判断はできますが
それはあくまで推測です。
実際に、
今まで当院でも
悪性の所見が
ひとつもないホクロでも
1,000個に1個
くらいの確率で
癌が見つかっています。
幸いにも、どの方も
悪性度の低い
基底細胞腫だったので、
大学病院にお願いして
拡大手術を
行っていただきました。
明らかに悪性黒色腫の
特徴があるものは
診察で見た目だけで
判断可能ですが、
ほとんどのホクロは
その特徴がありません。
逆に言いますと、
診察で悪性黒色腫が
疑われる場合は
重症だと考えて、
慎重な対応が
必要となります。