最近よく耳にする「ハイフ」という治療技術について、気になっている方はいませんか?2020年頃から「ハイフ(HIFU )」という言葉がより身近に感じられることが増えてきました。
今回は、ハイフ治療を受けるかどうか迷っている方に、「失敗しないハイフ治療」というテーマでお話します。ハイフ治療がどんな課題をかかえている人におすすめなのか、ハイフ治療の良い点だけでなくデメリットについても詳しく解説していきます。
まだハイフをよく知らない方、不安に思っている方はぜひお読みになってください。
ハイフ(HIFU)とは??
まずは「ハイフ」とは何かについてご紹介します。
ハイフは正式名称を「高密度焦点式超音波」といい、略してHIFU(ハイフ)と呼ばれています。超音波は音の一種です。
凹面鏡に超音波を当てて、顔などの皮膚のある一点に超音波を集中させます。その結果、皮膚表面を傷つけずに、一定の深さのところに熱を加えることで治療を行います。これがハイフの超音波による治療メカニズムです。
炎症状態を引き起こす!?
現代のハイフ治療は皮膚表面を傷つけずに定めた深さに熱を加えることができます。そして、皮膚の細胞を破壊するのではなく、熱により軽い炎症状態を引き起こします。
この炎症状態は過剰なもの(病的な炎症状態)であると体に対しても有害ですが、軽度な場合には体には無害です。炎症状態になるとケミカルメディエーターという物質が刺激された細胞から分泌されます。そして、周りの組織が刺激され細胞の活性化が起き、引き締めら効果が得られるのです。
この引き締め効果によって、皮膚のたるみを深い部分から改善できるのがハイフの特徴です。
側頭筋膜がターゲット
ハイフ治療の主なターゲットは、「側頭筋膜」という筋膜になります。
筋膜というのは、皮膚からだいぶ深いところにありますが、ハイフはそこまで熱を加えることができます。
筋膜に熱を加えることで、「筋膜を引き締めてたるみを改善する」というのがハイフ治療で最初に考えられた原理です。
しかし、深い部分の筋膜を引き上げるだけでは、皮膚の表面が垂れて、たるんでしまうこともあります。そのため、現在のハイフでは深いところにある側頭筋膜だけではなく、次のように深さのバリエーションを変えながら全体に熱を加えていきます。
● 4.5mm
● 3mm〜1.5mm
● 部分的に2mm
深さが異なるトランスデューサーを使って、顔全体の深い場所から浅い場所まで、まんべんなく熱を加えることができます。このようなメカニズムで、現代のハイフは顔全体を引き締めていく治療法として進化しています。
ハイフ治療はどんな人におすすめ?
ハイフ治療は、皮膚のたるみがひどくなる前に行うのがおすすめです。たるみが進行しすぎてしまうと、ハイフ治療のような機器ではたるみの修正・予防・治療効果が十分に得られなくなってしまいます。そのため、当院では皮膚がたるみがひどくなる前の患者様にハイフ治療をおすすめしています。
ただし、たるみがひどい場合にも、決して諦める必要はありません。ハイフ治療はその他の治療と組み合わせて行うこともできます。その他の治療を組み合わせることで、たるみが悪化している場合にも治療は可能です。
自分はハイフでは無理かな?という方も、ご相談いただければ、当院では患者様にあったプランをご紹介できます。
ただし、悪化してからでは治療効果も得られにくく、時間も費用もかかってしまいます。予防も含めて早い段階からたるみは治療を開始することが大事です。たるみの重症化を避けるためにも早めの治療をおすすめします。
ハイフのデメリット
ここまでハイフ治療のメリットについてご紹介してきましたが、デメリットについてご紹介します。基本的にはデメリットが少ない治療法ですが、ハイフ治療にも少しだけデメリットがあります。後悔することのないように、あらかじめ納得した上で治療を受けるようにしましょう。
デメリット①:痛み
現在ハイフ治療で使われている機械では初期型のハイフ治療に比べると、痛みはだいぶ軽減されています。昔のような我慢できないような強い痛みはほとんどありません。
初期型ハイフ治療の機械では、深いところの側頭筋膜に火傷を起こすようなもので、強く超音波を照射して本当に焼くようなイメージで傷(瘢痕)を作ることで治療していました。
これは副作用ではなく、むしろ瘢痕にすることによる引き締め効果が、初期型ハイフ治療の方法だったのです。
現在は火傷を作らないような微細なレベルの調整が可能になり、火傷や痛みを伴うような治療法ではなくなっています。当院でも、最新のハイフ治療の機械を導入しており、痛みが少ない治療を行っています。
ハイフ治療のデメリットとしては「痛み」は少しあり、個人差もあります。しかし、昔のような強い痛みではないので、そこまで不安に感じなくても良いかと思います。
デメリット②:火傷
治療を受ける患者様がよく心配しているのが、「火傷」です。
超音波により強い熱を加えるので軽度な火傷が生じる可能性はあります。例えば、皮膚の下に軽度な火傷が起こる可能性はゼロではありません。
しかし、超音波を当てる焦点は皮下の深い場所の一点に集中させるため、皮膚表面には熱がほとんど加えられることはありません。つまり、皮膚の表面に火傷が生じることは滅多にありません。
ただし、ハイフ治療に使う機械によっては皮膚の火傷のリスクが少し高くなる場合があります。例えば、表面から1.5mmの深さのところに超音波を照射する「トランスデューサー」を使用する際などです。
このトランスデューサーを使った場合には、浅いところに熱を加えるため、塗布するジェルの加減やトランスデューサーの照射具合により、皮膚の一番浅いところに点模様の火傷ができることがあります。
ただ、点模様の火傷ができたとしても深い火傷になることはありません。この火傷自体は数日で回復することがほとんどです。
ひどい火傷が起こることは最新のハイフ治療機器であればまずありえません。細心の注意を払いながら治療を行っていますが、軽度な火傷を起こす可能性はゼロではないことを覚えておいてください。
デメリット③:瘢痕による「ひきつれ」
火傷と同様に不安に感じる方が多いのが「瘢痕」です。昔のハイフ治療では熱が加えられることで皮膚の下で瘢痕が生じて、皮膚の引き攣れが起きることが懸念されていました。
ただ、最新のハイフ治療機種では、瘢痕ができてしまうタイプは少なくなってきています。
火傷になるギリギリ手前まで熱を加減できるような機器に切り替わっているため、現代型の機器であれば基本的に瘢痕はできません。
現在、当院のハイフ治療で使っているタイプは、強い照射を行う旧型のタイプではなく、適切な熱量、温度により、適切な間隔で行えば、瘢痕によるひきつれの心配はありません。
もちろん、昔の治療法が悪いわけではなく、ある程度治療の間隔を開ければ、超音波を強く照射していくということは問題ありません。ただし、瘢痕を作ってしまうような昔のハイフ機器は、短い間隔で頻繁に施術を行うと、硬い瘢痕が生じて皮膚の引き攣れにつながる可能性があります。そのため、昔のタイプのハイフ治療をするのであれば、短い間隔で頻繁に治療するべきではないでしょう。
医療用ハイフとエステ用ハイフはどう違う?
最後にハイフの種類についてご紹介します。
ハイフ治療には、いろいろな種類がありますが、一番の違いは、医療用ハイフかエステ用ハイフかの違いです。医療用ハイフとエステ用ハイフには大きな違いがあります。
エステ用ハイフには効果が期待できない!?
エステ用ハイフは、超音波の出力が低いのです。これには理由があります。
医療機関であればハイフ治療の際に何かトラブルが起きたとしても医師がいるので皮膚の火傷などの対応が可能です。
ところが、エステには医師がいないため、トラブル対応などのリスクがあります。医療機関ではないため治療にあたる施術は認められません。そのため、エステでは医療機関のような治療は行うことができず、安全面からも超音波の出力が低く抑えられています。
もちろん、エステ用ハイフは意味がないと言っているわけではありません。エステの施術はリラックスができて心地よいものです。リラックス効果を期待して、エステ用ハイフの施術をしてもらうのは良いことだと思います。一方で、効果の弱いエステ用ハイフでは治療の実感も得られにくくなります。皮膚を引き締め、たるみを改善したいと考えているのであれば、エステ用ハイフでは超音波の出力が低いので効果もほぼありません。
ハイフで失敗したくない、効果を実感したいのであれば、効果が担保された医療用ハイフがおすすめです。医師の管理のもとで、安全に効果的な治療を受けられる医療用ハイフをぜひ検討してみてください。
たるみ治療の効果を求めるなら医療用ハイフ推奨
「失敗しないハイフ治療」というテーマで医療用ハイフのメリット・デメリットなどを解説してきました。
たるみ改善効果を実感したいのであれば、効果のある医療用ハイフがおすすめです。
一部の痛みが強く硬い瘢痕ができるような機種の例外を除き、適切な方法で行えば、火傷などが起こる心配も基本的にはありません。
最初から迷わずに医療用ハイフで治療することが、失敗しないハイフ治療になるかと考えます。
ぜひ、この記事を参考にハイフ治療を始めていただければと思います。