ヒアルロン酸注射でどれくらい若返れる？
先日、患者様に「ヒアルロン酸注射でいくつくらい若返ることができますか？」と質問を受けました。
ヒアルロン酸注射はアンチエイジング治療として多くのクリニックで行われている治療法です。
治療原理としては、老化のプロセスで発生するボリュームロス（骨の損失・後退・皮下脂肪などの損失・減少）による組織の変化をボリュームを加えて補う治療法です。
どんな治療も効果を出そう出そうとし過ぎると無理が生じます。
昔から行われているフェイスリストという切って皮膚を引き上げる治療がありますが、やはり引っ張れば引っ張るほど確かにしわやたるみは改善されますが出来上がりが不自然で違和感が出たりします。
ヒアルロン酸注射も同じことが言えます。たくさんのヒアルロン酸を注入すればしわを伸ばしたり、輪郭を変えたり出来ますがやり過ぎると顔がパンパンになります。
よくテレビで”整〇おばさん”と紹介されたりしていますが、たくさんの量を注入すると顔がパンパンに腫れてしまいます。
そういう状態を見ると「患者様の要望される期待に応えて無理に多くのことをし過ぎているんじゃないかな」と私は思います。
「ヒアルロン酸注射で何歳ぐらい若返れますか」の質問にご回答するなら5～10歳くらい若くなるというのが入れ過ぎにもならず、少ないリスクで無理のない自然な仕上がりが可能かと考えます。
もちろん”もっと綺麗に、そして若くなりたい”という気持ちは分かりますが、やはり安全が第一ですので、無理なことをして悪い結果を招くよりは適切な量で適切な場所に適切な技術でヒアルロン酸注射を行うことが大切だと考えます。
ヒアルロン酸注射の適正量とは？
ヒアルロン酸注射は注入しようと思えばたくさん注入することができます。
以前、当院にデモンストレーションに来てくださった他院の先生がモニターさんに1回で17本を注入したことがありました。
17本ですので、17ccのヒアルロン酸を注入ということになります。
ただ、うつ部位が多かったため総量が17ccという結果になりました。
額、眉の上、頬の内側、目の下、鼻の横、ほうれい線、マリオネットライン、フェイスラインです。
これらの部位を十分に注入しようとすれば、10cc以上の量でも注入のし過ぎではなく適正量となります。
ただ、当院でヒアルロン酸注射を実施する際は一度にこれだけの量を勧めることはありません。
何故なら、初めての方だと特に最初は不安も強いでしょうし、急に変化が出ると戸惑うこと方もいらっしゃいます。
周りの人にも「えっ？」と驚かれるような変化を避けたい方も多いかと思いますので、患者様のご要望をよく聞かせていただいたうえで、まず一番気になる部位のみ対応することをお勧めすることが多いです。一番多いのがゴルゴライン（目の少し下内側のくぼみ）です。ゴルゴラインがくぼむと影が目立ち、老けてみます。
そういう方にはヒアルロン酸量でいうと約片方0.3ccずつ、合計0.6cc～1.0cc（1本）でスタートすることが多いです。
たるみが気になる方には頬の外側にヒアルロン酸を注入し、引き上げるという方法もあります。
そのようなヒアルロン酸の打ち方をする場合は、片方で0.2ccを2か所、左右で合計0.8cc程で済みます。
そして、鼻の横の深いほうれい線を治療する場合、皮膚の一番深い骨膜上部分にヒアルロン酸を片方0.3cc、左右合計0.6ccほど注入し、加えて浅めに片方0.6cc、左右で1.2ccほど追加するのが当院で実施する平均的な量になります。
初めての方は少量からスタートがお勧め
特に初めての方はあっちもこっちもすることをお勧めしません。
前述もしましたが、大きく変化すると戸惑う方も多いですし、変化が大きくなる分不安も大きいからです。
ヒアルロン酸注射の良いところは後から追加することが可能な点です。
ですから、はじめての方は最初は少な目に注入し、後から足していくのが安心頂けますので良いかと思います。
何回もヒアルロン酸注射で治療されている方に関して言えば、1回で2～3本（2.0～3.0cc）実施は当院でも行っています。
流石に1回で数十cc単位での注入は行っておりませんが、初めての方の目安としては1.0cc（1本）以内を目安にスタート頂くのがちょうど良い量だと当院では考えています。
少し足りないくらいが丁度良い量
常に私が心がけているのは「ちょっと足りない」ぐらいが丁度良いと考えています。
その理由は、やはり後から追加できるからです。
たくさん注入して大きな変化を求められる方もいらっしゃいますが、私の方針としてはまずは一番気になる部位から最小限スタートし
慣れてきてから2～4本を検討いただくようにしています。
ただし、例外的に頬の痩せている方に頬にボリュームを持たせる治療を行う際は1回でかなりの量を注入することがあります。
しっかり対応しようとすると1回で2～3本（2.0～3.0cc）を注入することがあります。
正しい技術をもった医師を選ぶこと
ヒアルロン酸注射をたくさん打つにも正確な技術と正確な診断があって効果が発揮されます。
言い換えれば、少ない量でも正確な診断と技術があれば、最小量で効果を最大限に発揮できます。
たくさんの量を打ってもむやみに注入しては意味がありません。
例えば、１つの個所にたくさんの量をうつと本当にそこだけがプンっと膨らんでしまい、違和感のある顔貌になってしまいます。
いれ過ぎ症候群と称されることもありますが、何事も適正であることが大切です。
ヒアルロン酸注射に関しては治療ページにも詳しく記載しております。
どれくらいの量を注入すれば、どう変化するのかのBeforeAfterも掲載しておりますので、気になる方はそちらも参考に頂ければと思います。
セルフケアやたるみ治療などのアンチエイジング治療の選び方を動画でもご紹介しております。ご興味がありましたら、Youtube動画もご覧ください。
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