よく患者様から「注射治療する際、どの部位が一番痛いですか?」と聞かれることがあります。
注射と言えばヒアルロン酸注射、ボトックス注射が定番です。ですので、この2つの治療における痛みを伴う部位について説明したいと思います。
ボトックス注射は主にしわ治療で用いる注射で眉間、目尻、おでこ、エラ部分、広頚筋などの部位に注射することによって部分的に筋肉を動かなくし小顔、しわを治療するものです。
当院ではボトックス注射の際用いる針はかなり極細のものを用います。一般病院で用いるような極細と言われる注射針は27ゲージというサイズが一般的です。しかし、当院で用いる針は更に細い特殊な針を用います。具体的に言うと33~34ゲージというサイズです。ゲージ数が上がるほど細くなります。
ボトックス注射ではこうした特殊な細い針を用いるため、どこの部位でも強い痛みが出ることは少ないと考えます。ですから、当院で前処置として塗麻酔を用いることはほとんどありません。(稀に敏感な方がいらっしゃいますので、ご希望の際は塗麻酔を使用することがあります)
しかし、ボトックス注射を部位別で痛みが出やすい箇所を指すなら咬筋(エラ部分)です。咬筋は筋肉が大きく、比較的深い部分までボトックスを注入します。また、他部位よりも注入量を多く使います。他は浅い部位への注入がほとんどですので、深い部位への注入は浅い部位への注入と比較すると少し痛みが出やすいとされます。(とはいえ、痛みを感じない方もいらっしゃいます。)
他に、当院では滅多に処置することはありませんが、多汗症・腋臭治療の際、脇部位へのボトックス注射です。このボトックス注射は他部位とは異なり、真皮層へ注入します。真皮層は硬い部位になりますので注入の際、他のボトックスと比べて強い痛みが出ます。ですので、脇へのボトックス注射は塗り麻酔を処置することがあります。
次にヒアルロン酸注射についてです。ヒアルロン酸注射は、表皮に針が入る時にチクっとする程度で強い痛みが出ることはありません。また、注入中は基本的に痛みはありません。
ただ、ゼリー状の液体を注入しますので、張る感覚(内側から膨らんでいる圧)を感じることがあります。そのように、ヒアルロン酸注入中に強い痛みが生じることはありませんが、もし痛みが生じたとするならば、それは神経に接触しているか、血管への誤射の可能性があります!!
稀ですが、万一ヒアルロン酸注入中に強い痛みが生じた際は、リスクのサインになりますので我慢せずすぐに訴えることが大切です。
このように注射治療の痛みについては適切な製剤、適切な道具、適切な技術を用いれば、痛みも最小限に抑えることができます。中には非常に敏感な方もいらっしゃいますので、遠慮なく塗り麻酔を希望される際はおっしゃっていただければしっかり対応します。大切なのは患者様毎の適切な処置の選択です。一緒に相談しながら安心できる処置を選択することが何よりも大切だと考えます。
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