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医師へのあこがれ(その27)

医師へのあこがれ
2009.05.31.日曜日
医師へのあこがれ | 2009.05.31.日曜日

  私が医学部に合格することを、10年近く信じていてくれた人がいました。母の友人で、かつて自宅近くにあった市場の毛糸屋をしていたNさんのおばさんでした。編み物が得意の私の母は、Nさんの毛糸屋で毛糸を購入し、依頼のあったカーディガンなどを縫って副業としていました。
 小学生の私は、プラモデルが完成すると、毛糸屋のNさんによく見せに行っていたように思います。細かい部分の仕上がりが良くないプラモデルを見ても、Nさんはいつも”上手にできたねと”ほめてくれました。
 私が小学5年生のときに、骨折をして医師にあこがれたときに、Nさんに”大きくなったら医者になる”と言ったのだと思います。母から私の医学部合格を知らされたNさんは、お祝いの電話をしてくださいました。その際にNさんは、私が現役の受験で、工学部系学部を受験すると聞いて、”あれ?、違う”と思ったそうです。
 幼い私がNさんの前で語った将来の夢をおぼえていてくれていたのです。私自身が何度もあきらめかけ、親でさえ医学部合格は難しいと思っていたのに、他人のNさんは、ずっと私が医学部に行くと信じてくれていました。自らが骨折し、患者としての痛みを経験し、将来は自分が医師となって、困っている人を助けたいと言った、忘れかけていたその言葉を、おぼえていてくれました。
 Nさんのお祝いの言葉に、私は天命を感じました。確かに、試験の点数が良くて医学部に合格できたのですが、医師になるのが自分の運命であり、これから医師となるための試練が与えられたのだと感じました。
 医学部の門をくぐることを許された青年は、世間のことも、社会のことも何も知らない青二才で、人として合格を与えられたわけではなく、人間性に関してもまだまだ未熟なひよこでした。これからが本当の医師への道が続きます。
(つづく)

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