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【ほくろ】ホクロ切除とケロイド(肩、胸、手の甲)

ほくろ
2012.08.31.金曜日
ほくろ | 2012.08.31.金曜日
今は、レーザー治療が進歩し、また新しい創傷被覆材は開発されて、相当大きなほくろまで切らずにレーザーでとることが可能となっています。しかし、ある程度の大きさになると、やはり切って取らなければならない場合があります。
その際に、外科医として注意しなければならないことがあります。術後にケロイドと呼ばれる目立った傷跡になることを考えなければなりません。肩・胸・手の甲は傷跡が膨らみやすく、その他・腕や腹・背中もケロイドとして膨れることがあります。
特に、肩、胸、手の甲は術後にケロイドになりやすく、ほくろ自体の大きさもそれほど大きくなく、簡単に切って縫うだけに思えても、安易に切る手術を行ってはいけません。
ケロイドとは、元の傷の大きさ以上に傷痕が拡大する状態のことです。元の大きさとほぼ同じ大きさの傷は、ケロイドとは区別して肥厚性瘢痕と呼びます。

ほくろを切って取る場合は、元のほくろの大きさよりも約3倍ほど長く切る必要があるので、仮にケロイドにならなかったとしても、傷跡は3倍の長さになります。それがケロイドとなると、その3倍の長さの傷痕が延長し、さらに幅も5倍10倍と太くなってしまいます。

形成外科では、ケロイドになりにくいように真皮縫合と呼ばれる縫合をして、傷口に緊張がかからないようにすることで、ケロイドになることを防ぎます。真皮縫合を強くして、ウインナーソーセージのように皮膚を盛り上げて、傷の緊張を予防しても、ケロイドになるくらい、肩・胸・手の甲はの縫合は難しい部分です。

術後に、傷口の緊張を取るためにテープ固定や、トラニラスト(リザベン)内服する程度では、この部分のケロイドを防ぐのは難しいです。しっかり真皮縫合を行ったとしても、さらに術後にケロイド予防の放射線(レントゲン)照射をするくらいの準備が必要です。

ですから、肩・胸・手の甲を含むケロイドになりやすい部分の皮膚腫瘍(ほくろ・いぼ・おでき)の治療は、できるだけ慎重に行うべきで、もし取るとしても、より小さい傷跡ですむレーザーで大きさも最小限に、深さもできるだけ浅く削るか、放射線治療ができるような少し大きな施設で準備をして、行う方が安全です。

仮にレーザーで取るとしても、術前に患者さんへの説明として、術後は最小限の傷跡でも盛り上がることがあること、もしふくれてくる傾向があれば、トリアムシノロン(ケナコルト)の注射を行う必要があること、内服の必要性もあること、それでも赤い跡が残ること、それらを患者さんにご理解して頂いた上で、処置を行うべきだと思います。

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