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【出会い】その27

出会い
2011.12.04.日曜日
出会い | 2011.12.04.日曜日

結納を収める予定の日は、入局してまだ半年足らずでした。結納を納めるのに婿が同席する必要はないのですが、医局長にお願いして日曜日の大学当直をはずしていただき、仲人とともに私も大阪から福井に向かうこととなりました。
結納道具は、私の実家にしばらく飾られていました。今では珍しくなった結納道具ですが、そのころの私にとっても、特に思い入れがあるわけではなく、単なる飾りにしか見えませんでした。
我が家に到着した仲人さんは、目録と結納品を一点ずつ確認されました。結納道具は十数点あったように思いますが、仲人さんの立派なベンツのトランクに、すっぽりおさまりました。
仲人さんは今までも結納を納める役回りは何度も経験されているようで、運転する姿にも貫禄がにじんでいました。私は慣れないスーツ姿で、少し固い革張りの助手席に身任せていました。
まだ雪のない北陸道を、将来親戚となる人たちの待つ福井に向かい、ほぼ定刻どおりに彼女の家に到着ました。
玄関では彼女のお母さんが出迎えてくれました。私たち二人は秋のやさしい日差しが差込む応接室に案内されました。今まで何度も足を運んで、彼女のお父さんに繰り返し頭を下げた同じ部屋で、私はソファーに深く腰掛けました。
床の間のある隣の部屋でいよいよ結納を納める時が来ました。正装をした彼女のお父さんと着物姿の彼女を前にして、仲人さんが口上を始めました。
”このたびは、ご縁談がめでたくととのい、おめでとうございます。本日はお日柄もよろしく、ご結納の品をお届けにまいりました。どうぞ幾久しくお納めください”
彼女のお父さんが目録に目を通し、お礼を述べられました。”本日はご多忙のところ、お世話になります。ご結納の品、幾久しくお受けいたします。”お父さんのその声は仏間にこだましたように、聞こえました。
お父さんのこの言葉で、二人の永すぎた春は、永かった春となりました。ミス着物の福井県予選で準ミスに選ばれたことのある彼女の和服はに、さすがに艶やかで、その姿にはもう幼さはありませんでした。
(つづく)

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