アメリカは「ミスに寛容だがウソに厳しい」が、日本は「ウソに寛容だがミスに厳しい」と上杉隆さんというジャーナリストが言っていました。
確かに、アメリカの医療現場でも、たとえば治療や処置のミスが起こった場合、同じ事故を繰り返さないことを重要視するので、起こしてしまった個人に責任を問う前に、状況の把握や対策を取るために、事故が起こった状況をウソのないように正確に報告される場面が、ドラマなどでも良く出てきます。合理主義のアメリカらしいやり方ですね。
日本でもこの考え方が医療界にも徐々に浸透してきてはいるのですが、まだまだアメリカほどドライに合理的には機能していないように思います。あるミスが起きた場合は個人的な責任や個人的な能力に関する話になり、犯人のような扱いにされることが多いです。
アクシデントやインシデントは、もちろん個人的な能力によって起こる頻度や確率は違いますが、だれが同じことをしても起こってしまうようなミスが多くあります。ですから、同じミスを繰り返さないためにスタッフ全員で情報を共有することが大切だと思います。そのためにも、ウソをつかずに、正直に話せる土壤を職場に作ることが必須です。
もちろん、万が一そのスタッフが故意に行ったことや、同じミスを繰り返す場合は例外です。個人的な責任を厳しく問われるのはもちろんのことで、管理者が仏様のように優しい人でも、決してゆるすことはできません。