魚の目は足や手で物理的に当たる部分の角質が厚くなり真ん中かが深くなることで痛みが出る皮膚の変化です。タコと原因は同じですが、魚の目は中央が深い分痛みが伴います。
この魚の目は普通新しい靴をおろしたときなどに指が押されて、関節付近が圧迫されてできることが多いです。物理的に圧迫される部分の皮膚を守るために角質が厚くなって魚の目ができるので、普通は物が当たらない部分には魚の目はできません。
しかし、ごくごくまれに全く圧迫されない場所に魚の目ができることがあります。この場合は、魚の目の下に偶然おでき(多くはアテローマ・粉瘤)が合併していることがあります。皮下におできが発生し、本来なら圧迫されない部分でも、おできによって少し膨らみその部分がこすれて刺激されるので角質が厚くなり魚の目になることがあります。
今までに私も2人だけ、圧迫されない部分の魚の目を経験したことがあります。ひとかたは手の魚の目で、特にスポーツをするわけではないのに物が当たらない部分に魚の目ができ、取ると下からおでき(アテローマ)の内容物が出てきました。もうひとかたは足の魚の目で、歩くときに触れることのない関節のくぼんだ部分にできた魚の目です。
人の体は医学の教科書どおりではなく、時々驚かされる合併症があり、これが医師の経験として積み重られていくのでしょうね。
ドクターズコラム | 2011.05.17.火曜日