今日のニュースで天皇皇后両陛下が被災地の宮城県南三陸町と仙台市の避難所をお見舞されたニュースが報じられていました。仙台市の体育館で皇后陛下に話しかけられた女性が、津波で流された自宅跡に咲いたスイセンの花束を、皇后陛下に差し出しました。皇后陛下は「ちょうだいしていきます」とおっしゃられて花束を受け取られました。
女性はご自身が被災されて自宅を失い、不自由な避難生活を強いられる中であっても、天皇皇后両陛下がお見舞いにこられることをしり、何かそのお気持ちにお答えできることはとないかと、ご自宅跡のスイセンを贈られました。
本来なら、気持ちもすさみ不便さへの愚痴も不満も多いはずです。そのような状況の中でも、おもてなしの心を忘れずに、スイセンを贈られた女性の心の豊かさに触れて、感動して涙が出てきました。
皇后陛下は女性のお気持ちをしっかりと受け止められて、スイセンをずっと大事に東京まで持ち帰られ、自衛隊機を降りる時にもそのスイセンは皇后陛下の手にありました。
かつて、阪神淡路大震災の際にも、お見舞いに来られた皇后陛下は皇居で咲いたスイセンの花束を被災地にお供えになられました。その場所は、今は”すがはらすいせん公園”となって、公園の一角には皇后陛下が供えになられたスイセンの花束がモニュメントになっているそうです。
スイセンは福井県の県花で、真冬の越前海岸に群生します。たたきつけるような寒風に吹かれながらも、負けることなくしっかり花を咲かせます。スイセンにはそんな強さを持った花です。