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ワキガと脱毛

わきが・多汗症
2008.04.09.水曜日
わきが・多汗症 | 2008.04.09.水曜日

脱毛することでわきの臭いが少し少なくなります。脱毛することで、毛根が減少し、または無くなることで、毛根周囲にすんでいた常在菌(細菌)が減少するためです。
わきの臭いの元となるアポクリン汗腺からの汗は、もともと全く無臭です。このアポクリン汗腺からの汗と皮膚に棲んでいる常在菌が反応して、臭いが発生します。ですから、脱毛することで常在菌が減れば、臭いも減ります。
しかし、劇的に減るわけではありません。常在菌は毛根だけに棲んでいるのではなく、皮膚全体に分布するので、1-2割の減る程度だとお考え下さい。
脱毛レーザーのエネルギー程度では、アポクリン汗腺は破壊されませので、汗腺自体が減ることはありません。また、脱毛レーザーで毛は無くなりますが、毛穴自体が閉じるわけではありませんので、蓋をされて汗が出なくなるわけでもありません。毛穴は残り、アポクリン汗腺も変化はほとんどありませんが、常在菌が減るから臭いが少し減ります。
市販で売られているAg+(銀)イオン入りのワキ用消臭剤は、この常在菌を減らすことによって、臭いを抑えるメカニズムです。Ag+イオンは殺菌効果が高く、抗生物質のように細菌が耐性(抗生物質が効かなくなる抵抗力)が作られることはありません(正確には私の知る限りですが現時点で、Ag+イオンに耐性のある細菌は見つかっていないそうです)。医療現場で私も昔、全身熱傷患者さんの入浴にAg+イオンを発生する装置付浴槽で全身滅菌目的に使ったことがあります。
話が横道にそれますが、熱傷患者さんの皮膚感染創治療クリームとしてAg+イオンは昔から使われていました。全身にこのクリームを使うために副作用として、血液のあらゆる血球成分が減少する汎血球減少症Pancytopeniaがごく稀に起こりました。私もひとかただけ経験したことがあります。一般市販用として使われているワキの消臭剤程度であれば、体内に吸収されることもほとんど無いでしょうから、そのような怖い副作用は起こらないと思います。

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