まだまだ、雪深い
北陸道をとばして
福井に着きました。
お父さんの制止を
無視してまで
僕との約束を
守るために大阪に
来てくれた彼女を
福井の実家まで
送り届けました。
お父さんには、まず、
丁寧に挨拶をして
今回、大阪に
遊びに来るように
僕が勧めたことを
説明しました。
彼女は、その約束を
守るために、
お父さんに叱られても
出てきたので、
決して彼女は悪くなく
強く勧めた僕が
悪いのです、と、
頭を下げて、
謝りました。
お父さんは、
話はしっかり聞いて
くれましたが、
私と目を合わせて
くれることは
ありませんでいた。
終始、お父さんは、
堅い表情を崩す
ことはなく、
ほとんど、
黙ったままでした。
彼女の実家を出る前に、
もう一度、お詫びをして
彼女に、責任は
ないことを繰り返し、
福井を後にしました。
ひとり大阪に向かう
帰りの道のりはながく
車内も寒く感じました。
新設医科大学の
福井医科大学では
年明けからは、
卒業試験が
始まります。
並行して、
国家試験対策の
勉強も本格化して
きました。
彼女と会う時間も
限られるようになり、
さらに、お正月の
できごとのこともあり
気兼ねなく会うことは
以前以上に難しく
なってきました。
車を手放しましたが、
原付をとばせば
彼女の実家までは、
10分もかからない
距離なのに、
福井では少な目の
数十センチの
積雪でも、
原付で乗り越える
ことはできませんでした。
こんなに近くに
住んでいるのに
ふたりの距離は
だんだんだんだん
遠くなっていきました。
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出会いを１７話続けて読んでしまいました。小説より先生の文章のほうが人柄が出ていて惹かれます。先が気になって・・。先生のような誠実な男性と出会った彼女はお幸せですね。私にも娘がおりますが、先生だったら大賛成です。いつも診察でも本当にご丁寧で安心してお任せできます。ライムライトはもう少し安価な医院もあるようですが、先生のお人柄でここでよかったと思っています。