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医師へのあこがれ(その42)

医師へのあこがれ
2010.11.02.火曜日
医師へのあこがれ | 2010.11.02.火曜日

急いで分娩室に
駆けつけた私たち
ポリクリグループは、
不潔にならないように、
予防着と、ディスポの
帽子とマスクをつけて
産婦さんからは直接
見えない位置に、
静かに担当教官が
案内してくれました。
産婦さんは、
痛みをこらえながら、
繰り返しいきんでいました。
直接顔は見えませんが、
その声から、痛みの程度が
尋常でないことは容易に
想像されました。
すでに排臨と呼ばれる
状態で、胎児の児頭は
もう見えていました。
分娩介助についている
若い先生は特に、何を
するわけではないのですが
額には汗がにじんでいて、
表情には余裕がなく、
僕らの目にも、経験の
少なさが伺われました。
少し離れて立っていた
オーベン(指導医)が、
若い先生に目配せしました。
しかし、
若い先生は、オーベンの
目配せの意味がわから
なかったようで、
きょとんとしていました。
しびれを切らして、
オーベンは、
”切るの、切らないと?”と
若い先生をせかすように
問いただしました。
若い先生は、数秒間
考えた後、はっきり
”切ります”と答えました。
排臨状態になると、
そのままでは、
会陰部や肛門が
引っ張られて
損傷されることがあるので、
皮膚が裂けてしまう前に
医師が切開することで、
損傷を最小限にし、
切開により抵抗が
減るので、分娩が
早くなります。
若い先生は、
局所麻酔をおこなった後に
剪刀(はさみ)で会陰切開を
行いました。
少し、鈍い”ぶちっ”という
音とともに、切開部分が
出血したかと思った瞬間
抵抗がなくなり、胎児は、
あごを上げる第3回旋を
行い、一気に私たちの
目の前に現れました。
赤ちゃん誕生の
感動の瞬間です。
しかし、
生命誕生のすばらしさを
目の当たりにして、
余韻にひたっていたので、
私は、周囲の雰囲気が、
入室した時と変わって
いるのに気づきませんでした。
(つづく)

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