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間違ったニキビ治療とニキビ治療Q&A

ニキビ
2021.05.15.土曜日
ニキビ | 2021.05.15.土曜日

 

誰もが一度は悩まされるニキビ。私も形成外科専門医として働くなか、ニキビに悩む多くの患者様の治療に携わってきました。
その中には間違ったニキビ治療を行ってしまっている患者様が非常に多くいらっしゃいます。

間違ったニキビ治療を行うと最悪の場合はニキビ跡が残ってしまうなど、重症化するリスクがあります。しかし、正しい方法で治療すればニキビは治せる疾患です。今回は、絶対にやってはいけない間違ったニキビ治療についてご紹介していきます。後半ではニキビの治療方法に関する患者様からの質問に回答します。ぜひご参考にしてください。

ニキビを悪化させる間違った治療と対処法

まず、ニキビを悪化させる原因である、間違った治療方法を紹介します。昔と今ではニキビの治療方法が変わってきており、以前に医師から指導された治療方法が必ずしも正しいとは限りません。ここで間違った治療方法と原因について改めて確認しておきましょう。

①頻繁な洗顔は間違っている?!

以前は美容クリニックなどで頻繁な洗顔を指導することがありました。しかし、今では洗いすぎはニキビの対処法として正しくないという考え方に変わっています。

かつて昔は、すでにできている炎症性ニキビを抑えていくための治療がニキビ治療の主流でした。そのため、ニキビの原因となる細菌が繁殖している状態を改善するためには、洗顔を頻繁に行って細菌を洗い流すことが必要だと思われていたのです。

しかし、現在はニキビを作らないようにすることが重要であり、原因を考慮した上での治療が主流になってきています。ニキビを元から絶っていくための治療が主流です。昔のように1日に何度も洗顔をするように指導する医師はほとんどいません。個人差はありますが、当院では朝晩の1日2回の洗顔をすすめています。

②乾燥させる治療はもう古い!

ニキビを悪化させる間違った治療の2つ目のポイントは、乾燥です。
最近では美容などの知識も一般の方にも広く知られており、乾燥がお肌に良くないことはご存知かと思います。
例えば、マスクをつけている状態から外しただけでも、蒸れている状態から急に乾燥するのでお肌には影響があります。

昔は、イオンカンフルローションという患部を乾燥させるタイプのローション剤が処方されていましたが、今ではほとんど使われていません。ごく稀に、じゅくじゅくしたニキビに対して、一時的に乾燥させる目的で処方される程度になっています。

現在のニキビの治療においては、お肌を乾燥させないことが大事だと考えられています。肌が乾燥すると皮膚の正常な機能が失われ、皮膚のターンオーバーによって角質を剥がれ落とし、角栓が詰まらないようにする働きが損なわれてしまいます。角栓が毛穴に詰まるとニキビができたり、ニキビが悪化したりすることになるのです。

現在のニキビ治療では、しっかり保湿をして乾燥を予防することが大切になっています。ニキビの治療においても予防においても、保湿を十分に行うことを心がけてください。

③ニキビを潰すこと。

3つ目は、ニキビを潰すことです。ニキビを潰すということは、ニキビの治療方法として最もやってはいけない対処法と言えます。炎症前のニキビであっても、炎症性ニキビであっても同じで、潰すのは悪化させる原因になります。

ニキビを無理に潰すことで、ニキビ周囲の皮膚組織を傷つけてしまいます。角栓周囲の皮膚組織が傷つけられると、傷が治る過程(創傷治癒過程)で瘢痕と呼ばれるケロイドに似たような硬い組織が増えてしまいます。

この瘢痕が増えるとニキビ跡になってしまい、ニキビそのものの治療ではなく傷跡の治療まで必要になってきます。傷跡の治療というのは大変難しい治療であり、長期間の治療が必要とな非常に厄介です。

だからこそ、ニキビができても潰さず、ニキビ跡を作らないことが大切です。正しいニキビの治療方法に関しては、他の記事でも紹介していますので参考にしていただけたらと思います。

ニキビに関する質問への回答

ここからは、患者様からよく聞かれるニキビ治療に関する質問に答えていきたいと思います。あなたの疑問もここで解決できるかと思いますので、ぜひ参考になさってください。

質問1:ニキビができやすい食べ物は?

よく言われているのが脂っこい食べ物です。ニキビ予防には皮膚の分泌を抑える必要があるので、皮脂分泌を促す脂っこい食べ物は気をつける必要があります。

また、チョコレートはニキビの原因とよく言われますよね。チョコレートとニキビの関連性については、すでに研究がされており論文などでもその結果が発表されています。

その論文によると、チョコレートを食べた集団とチョコレートを食べてない集団で、ニキビの出やすさを調査したところ、統計的有意差はないと結論づけています。つまり、ニキビとチョコレートには関連性はないということです。

ただし、当院としては統計的有意差はないだけで、チョコレートはニキビに影響はしてくると考えています。この論文の結果としては、ニキビに対するチョコレートの影響が少なかっただけではないかと推察します。

実際に診察をしている中でも、多くの患者様がチョコレートを食べるとニキビが増えたという話をよく耳にします。ニキビを予防するためには、脂っこいものとチョコレートはなるべく避けた方が良いでしょう。

もちろん、チョコレートがお好きで食べるのを完全に止められないという方は、可能な範囲で食べる量を減らすことをおすすめします。

質問2:ニキビに良い食べ物は?

ニキビに良い食べ物といえば、ビタミンB2とビタミンB6を含んだ食べ物です。
ビタミンB2とビタミンB6は、治療として処方することがあるくらい大事な栄養素です。いずれも皮膚の新陳代謝をうながして皮脂量をコントロールしてくれる働きがあり、ニキビ予防に欠かせません。

ビタミンB2、ビタミンB6が含まれる食べ物は以下になります。

ビタミンB2が多い

● 卵
● 納豆
● レバー
● 焼き海苔 など

ビタミンB6が多い

● マグロ
● かつお
● シャケ
● 肉類
● バナナ
● ニンニク など

この他にも、皮膚のターンオーバーをうながすという意味では、ビタミンAも効果的です。
ビタミンAが含まれる食べ物は以下になります。

● にんじん
● かぼちゃ
● 緑黄色野菜
● チーズ
● 卵 など

そして、便秘がニキビの悪化を引き起こすこともあるので、お通じを良くするための食べ物を食べることも大事です。便秘を予防・改善するためには、食物繊維が多いものがおすすめです。例えば以下のような食品があります。

● 穀類(雑穀米・キヌアなど)
● 緑黄色野菜
● 芋類
● 豆類
● 果物
● 海藻類
● キノコ類

これらの食品を上手に取り入れながら、栄養状態からもニキビを予防・改善していくことが大切です。

質問3:大人ニキビと思春期ニキビの違いは?

思春期のニキビは、ホルモンの影響を受けやすく、おでこ・鼻などのTゾーンに多くできる傾向にあります。主な原因は成長ホルモンや性ホルモンが活発に分泌されることで、皮脂が過剰に出てしまうことがニキビに繋がります。20代以降になれば年齢と共に改善することが殆どです。

もう一方の大人のニキビは、口周りや顎のUゾーンに多くできる傾向にあります。名前の通り大人になってからできるニキビで、ストレスなどによる影響を受けやすいニキビだと言われています。顔の洗いすぎなどによる乾燥がベースにあり、皮脂が余計に出ている場合も多くあります。

質問4:どのような石鹸で洗顔、洗浄するのが良いですか?

顔やからだを洗うために使う石鹸、ボディーソープは、どんなタイプを選ぶ方が大事になります。例えば、ボディーソープのように弱酸性で肌にやさしい洗浄剤の場合には、細菌やばい菌の殺菌力が弱い傾向にあるため注意が必要です。肌の汚れを落としきれていないために、余計に菌が繁殖しやすい状態になっていることが多いのです。

ボディーソープを愛用の患者様では、以下のニキビで悩まれる方も多くいらっしゃいます。

● 背中ニキビ
● 胸ニキビ
● デコルテニキビ

とくにニキビができやすい方は、弱酸性ではない一般的な石鹸での洗顔・洗浄をおすすめしています。

質問5:ピーリング剤入りの石鹸は使って大丈夫?

ピーリング剤入りの石鹸は、余分な角質を落とす意味では優れた石鹸です。ただし、毎日ピーリング剤入りの石鹸を使ってしまうと、角質への影響が強くなり逆に乾燥しやすくなってしまう欠点があります。その結果、逆に乾燥によってニキビが悪化してしまう可能性があります。

ピーリング剤入りの石鹸を使うのであれば、2〜3日に1回ぐらいの使用頻度をおすすめします。清潔にしようと洗いすぎないことも大切です。

質問6:保湿はした方がよいか?マスクは効果的?

基本的には、乾燥している状態よりも、保湿をしてうるおいのある肌が良いでしょう。しかし、保湿は正しい手段でやるべきで、湿っていれば何でも良い訳ではありません。

とくに、マスクを着けている時は、蒸れて乾燥していないように感じることでしょう。確かに乾燥はしていませんが、呼吸の湿気で皮膚が蒸れて皮膚がふやけてしまい、逆に正常な皮膚のバリア機能が失われる可能性があります。

そして、その状態でマスクを外すことで乾燥が促されてしまい、ニキビの原因となることがあるので注意が必要です。特に最近はコロナ禍でマスクを使用することが増えて、マスク使用によるニキビの悪化も増えています。

外からの湿気を増やせば増やすほど良いということではなく、どちらかと言えば、自身の皮膚の水分を逃さないようにすることが大事です。自身の肌の水分を保持することがニキビ予防の基本となります。

質問7:ニキビ予防のための保湿剤は何がいい?

化粧品で言えば、保湿力が高いのはクリームです。医薬品としては「軟膏」が油分が多いので、水分を逃さない効果に優れています。しかし、軟膏はベタベタするテクスチャであるため、普段使いのスキンケアとしてはあまり好まれません。

ニキビの保湿としては、クリーム基剤の保湿剤がおすすめです。クリームは、ニキビが増えるから使いたくないと言われる患者様もいますが、最近の化粧品はほとんどがニキビを増やすことがない「ノンコメドジェニック・アクネフリー」の成分で作られたものが増えています。クリームでニキビの原因になるような商品は、現在はだいぶ減ってきています。

どうしてもクリームのテクスチャが苦手な方は、ジェルタイプでも構いません。重ね塗りをするなど、使用方法を工夫して乾燥を防ぎ、保湿するように心がけてみてください。

質問8:ニキビがある場合の化粧の注意点は?

現在の化粧品は、先ほども申し上げたように、ほとんどがノンコメドジェニック・アクネフリーです。ニキビが増える可能性のある商品はほとんどなくなっています。

昔は化粧汚れを洗い残すとニキビが増えるので、しっかり洗って落とすことが大事だと言われていました。そのため、オイルクレンジングを使いメイクアップ化粧品をしっかり落とす方法が好まれ、さらにオイルを落とすためにゴシゴシ洗う方が多かったのです。その結果として、肌を傷つけて、乾燥が酷くなりニキビが逆に増えて、また余計に洗ってしまう…という悪循環が繰り返されていたのです。

しかし、今ではニキビの原因となるメイクアップ商品が減っていますので、昔ほど強く洗顔する必要はありません。

むしろ、化粧品を落とす際にオイル基剤が肌に残ると、そのオイルがアクネ菌・ニキビ菌のエサになりニキビの原因にもなります。ゴシゴシ洗いすぎると肌を傷つけてしまうので、どちらも注意が必要です。

しかし、しっかり系メイクを好む方もいらっしゃるでしょう。メイクをなるべく楽しめるよう、目元は取れにくいマスカラなどを使い、それ以外のところは取れやすいメイクアップ化粧品を使うというような、化粧品のパーツごとの使い分けを当院ではおすすめしています。

質問9:市販されているニキビ治療薬はどれを使えばいい?

市販されている医薬品は、医療機関で使用しているニキビ治療薬に比べると効果は落ちると思います。

もちろん、テレビのCMなどでよく見かける市販されているニキビ治療薬を、保湿や皮膚に大切なビタミン類を補給するためなどに使うことは問題ないと思います。ただし、市販のニキビ治療薬だけでしっかりとニキビが治るかというと、私としてはなかなか難しいかと考えます。

市販の医薬品といっても様々な種類があり、海外と同じ製品名のものもあります。しかし、同じ名前の市販ニキビ治療薬でも、アメリカで販売されている製品と日本の製品では、含まれている成分や配合量が違うことが多いです。

アメリカの法律では使用が認められている成分が、日本国内の法律(薬機法)では制限を受けることもあります。同じ商品名でも成分が違えば、効果も変わってきます。

もし、アメリカで使われている成分を使いたい場合には、医療機関を受診して処方してもらう必要があり、市販されている治療薬では同じだけの治療効果は望めません。

ですから、普段の肌の状態を維持するためという目的で市販薬を使っていくのはよいと思いますが、ニキビを確実に治療しすることは難しいと思います。自己流の治療でニキビを悪化させる前に、専門の医療機関を受診することをおすすめします。

質問10:ニキビ予防のための生活上の注意点は?

ニキビ予防としては、まずはストレスを溜め込まないことが大事です。特に大人ニキビはストレスは禁物です。ストレスがかかると、コルチゾール増加の影響で男性ホルモンが増え、ニキビが増える原因となります。そのため、ストレスをかけない生活を送るということが第一です。

次に、規則正しい食事と睡眠も大事です。肌の正常な新陳代謝を促し、ニキビの原因となる便秘など内臓機能の低下を防ぐには、栄養バランスのよい食事を食べ、よく眠ることが基本です。

質問11:ニキビ跡の治療は行っているか?

当院では、ニキビ跡の治療は行っておりません。結論を言いますと、ニキビ跡というのは「ニキビ」という名前はついてますが治療内容は全く異なります。

ニキビ跡というのはニキビではなくて傷跡です。そのため、ニキビ治療ではなく、傷跡の治療を行う必要があります。もちろんニキビ跡が治らないということではなく、いくつかの治療方法はニキビ跡に対する効果も実証されています。

当院で行なっていませんが、例えばニキビ跡の膨らみを削ったり、凹んでいるのであれば底から持ち上げるような治療が必要です。皮膚を持ち上げる治療というのは難しい治療となり、実際には皮膚を周辺との差がないように削るような処置を行います。

具体的には、「フラクショナルレーザー」というレーザーを使い、ニキビ跡を治療します。(当院未導入)

とはいえ、劇的な治療効果を出すことは難しく、一旦できた傷跡を消すことは非常に難しいことです。そのためにも、ニキビ跡になる前にニキビをしっかりと治療していくことが一番大切です。

当院のニキビ治療のポリシー

当院のニキビ治療のポリシーとしては、「あれをしちゃダメ」、「これをしちゃダメ」、というような生活上の大きな制限を設けないようにしています。生活の上での注意事項や禁止事項についてあまり細かく制限を行いません。

女性の場合には化粧をしないということは社会生活上厳しいと思いますので、化粧を禁止することはありません。当院ではあくまで生活上の制限を行わずにニキビを治療していくことを大切に考えています。

もちろん、生活上の制限を厳しくすれば、よりニキビは治りやすいかもしれませんが、ストレスになるのであれば逆効果です。ストレスはニキビの大きな原因の一つであるため、ストレスにならない程度に生活習慣を見直していただくよう当院ではアドバイスをします。

ニキビは悪化する前にクリニックで早期治療を

今回は、ニキビを悪化させる間違った治療方法と原因について解説するとともに、患者様からよく受ける質問に対する回答をご紹介しました。

ニキビを正しく治療せずに、ニキビ跡になってしまうと治療が難しくなります。厄介な状態になる前に、できるだけ早い段階でニキビ治療を始められることをおすすめします。

治療といっても間違った治療では意味がありませんので、正しい治療を受けるためにも専門の医療機関を受診されるようにしてください。日頃からのスキンケアや洗顔なども十分に気をつけつつ、ニキビの悩みから1日も早く解放されることを願っています。

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