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眼瞼下垂は自力で治せるのか?放置は危険?

眼瞼下垂
2021.04.08.木曜日
眼瞼下垂 | 2021.04.08.木曜日

 

眼瞼下垂の症状でお悩みの方の中には、「手術をなるべく受けたくない」「手術せずに自力で治せないか?」と思われる方も少なくないはずです。眼瞼下垂の手術が怖い、なるべく切りたくない、という患者様からよく受けるご相談です。

そこで、この記事では、患者様からよく質問される「眼瞼下垂は自力で治せるのかどうか」という疑問についてお答えしていきたいと思います。

眼瞼下垂は自力では治せない!?

先に結論から申し上げておきますと、「眼瞼下垂は自力で治すのはほぼ無理」です。
その理由についてご説明します。

①眼瞼挙筋を鍛えて元に戻すことはほぼ不可能

一般的な筋肉は鍛えると強くなりますが、眼瞼下垂の原因である「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」という筋肉を鍛えて強くすることが非常に難しいからです。
まぶたを上げる筋肉である「眼瞼挙筋」は、とても薄い筋肉です。非常に薄い膜のような筋肉なので、腕や足の筋肉のように鍛えて太くする、強くするということが難しい筋肉構造になっています。
(例外的に生後数カ月間であれば、眼瞼挙筋を鍛えれる可能性があると言われています)

②上まぶたの組織構造の問題

上まぶたにおける組織の構造がもう1つの理由です。
眼瞼挙筋は瞼板(けんばん)にくっついており、つなぎ目が非常に弱いという特徴があります。
例えば、腕や足などの筋肉は骨などに強固にくっついていて、離れることはよほど強い力が加わらない限りありえません。また、運動などで強く鍛えることもできます。
一方で、瞼板と眼瞼挙筋のつなぎ目はとても弱く、繊細な構造になっています。眼瞼挙筋を鍛えることができてたとしても、このつなぎ目を強固にすることはできません。
以上の理由から、眼瞼下垂を自力で治すことはほぼ不可能と言っていいでしょう。

眼瞼下垂の原因と症状

ここからは眼瞼下垂の原因と症状についてもう少し掘り下げて説明していきます。

眼瞼挙筋の緩みでまぶたが落ちてくる?!

眼瞼下垂の症状を起こすのは、主に眼瞼挙筋の異常が原因です。眼瞼挙筋というのは、動眼神経という神経によって支配されています。動眼神経は意識によって調整できる筋肉です。例えば、意識して目を開ける時はミュラー筋の前にある眼瞼挙筋が動眼神経によって支配されて上がるような仕組みです。

眼瞼下垂の患者様では、この眼瞼挙筋が緩んだり弱くなったり、滑ってズレたりすることでまぶたが落ちる症状が起こります。
眼瞼下垂手術では、眼瞼挙筋を元の位置に戻したり、短く切って持ち上げたりすることで、まぶたを上げやすくします。

ミュラー筋の働きすぎが肩こりを起こす?!

まぶたを上げる筋肉には眼瞼挙筋だけではなく「ミュラー筋」という筋肉も関わってきます。このミュラー筋の異常な緊張は眼瞼下垂による副次的な症状を引き起こすことがあります。

ミュラー筋は、眼瞼挙筋よりも奥にある筋肉で、眼瞼挙筋よりもさらに薄い筋肉で、自律神経の交感神経(自分の意思でコントロールできない神経)により支配されています。

例えば、眼瞼挙筋がまぶたを上げるのをサボっている場合には、ミュラー筋が一生懸命働いて持ち上げるよう働きます。そのため、ミュラー筋が働いているということは、常に交感神経が興奮している状態になります。

交感神経が興奮状態になると頭や肩の筋肉も緊張状態となり、肩こりや頭痛が引き起こされます。また、自律神経のバランスが乱れることにより、便秘や手足の冷えなどの症状が起こる人もいます。

つまり眼瞼下垂を放置していると、このような症状が次第に起きてくることがあるので注意が必要です。すでに気になる症状があるという場合は早めにご相談ください。

眼瞼下垂手術の方法は医師によって異なる

眼瞼下垂手術で、眼瞼挙筋を上げる方法は様々にあります。
眼瞼挙筋を切らずに縫って調整する場合もあれば、眼瞼挙筋を前にズラして縫い直すという方法など医師によっても考え方は異なってきます。

一般的には患者様のまぶたの状態や眼瞼下垂の程度によって、どの方法で行うか慎重に検討を行い、最終的に手術の方法を決定します。

眼瞼下垂手術を行う年齢は?

眼瞼下垂手術は、様々な年齢の患者様が受けてられています。

若い方ですと20代から、年配になると80代から90代の方まで幅広い年代の方がいらっしゃいます。
当院で一番多いのは50代以降の患者様で、少しずつまぶたが落ちてきて視界に影響が出ているためにご相談いただくケースです。もちろん、それより若い患者様も多くいますので、若いからと放置せずに早めにご相談いただければと思います。

眼瞼下垂の放置は危険?

眼瞼下垂にだからといって、必ず手術を受けなければならないのでしょうか?結論としては、患者様本人が、眼瞼下垂による症状に困っていなければ、手術を受けなくても問題はありません。

逆に眼瞼下垂の程度が軽症でも、患者様ご本人が生活に支障が出て困っている、気になっているのであれば、眼瞼下垂手術を受けて問題はありません。

よく患者様に「眼瞼下垂を放置しても大丈夫ですか?」と聞かれることがあります。
基本的には眼瞼下垂の症状を放置したからといって、命に関わるような何か重大な症状や問題が起こるということはありません。

ただし、眼瞼下垂の症状を放置すると、以下のような症状が出てくる場合があります。

● 無意識のうちに眉毛を上げることによる、おでこにシワが固定される
● ミュラー筋の緊張が続くことで頭痛や肩こり、冷えに悩まされる など

生活への支障や気持ち的な問題で、気になる方にとっては眼瞼下垂を手術を受けることにより大きく生活の質を上げることもできます。
当院では、生活の質を向上させたい方には眼瞼下垂手術をおすすめしています。

眼瞼下垂を悪化させない予防法

眼瞼下垂を悪化させないための予防法をご紹介します。
眼瞼下垂を予防するためには、眼瞼下垂を悪化させる行動・引き起こす可能性のある行動を止めることがまずは先決です。

予防その1:目元をこする癖をなくす

まずは目元をこする癖です。
痒みがあって目を擦ったり、アトピーの症状などで目を擦ってしまう癖がある方は、眼瞼下垂になったり悪化してしまう可能性があります。
例えば、右眼だけ痒くて擦りすぎると、右にだけ眼瞼下垂の症状がでる、ということもあります。それくらい目をこするのは良くない行動です。癖がある場合は気を付ける、そもそもの原因である痒みやアレルギーの症状を抑えるということも必要かもしれません。

予防その2:ハードコンタクトレスをやめる

もう1つはハードコンタクトレンズの使用です。
ソフトコンタクトレンズとは違って、ハードコンタクトレンズを外す時は上まぶたを引っ張って出し入れすることになります。

装着する際に、上まぶたの中の眼瞼挙筋が引っ張られて筋肉が伸びます。これを毎日繰り返すことで眼瞼下垂になる場合があります。
そのため、眼瞼下垂の方にはハードコンタクトレンズはおすすめできません。

アイプチは悪化の原因になるって本当?!

患者様から、「アイプチ(人工的にまぶたを一重から二重にするための化粧品)を使っていると眼瞼下垂になるか?悪化するか?」というご質問を受けることがあります。

アイプチなどの目を二重にするものを20〜30年使用した方で、皮膚が伸びてしまっている患者様が以前いらっしゃいました。皮膚が伸びてしまったことが原因で、眼瞼下垂の症状が出ていたケースでした。

ただ、個人的な見解としては、10年程度のアイプチ使用で眼瞼下垂の症状が出るというのはごく稀なことだと思います。

アイプチで眼瞼下垂の手術で二重が作りにくくなる!?

患者様の中には長期間使用していなくても、アイプチの使用でまぶたの皮膚が硬くなっている方がいらっしゃいます。
これはアイプチの成分などが原因というよりも、毎日付けたり取ったりという行動を繰り返しているうちに、皮膚に慢性の炎症が起きて硬くなっていることが原因に考えられます。

実は、このように皮膚が硬くなっている場合、眼瞼下垂手術をした際に二重を作りにくくなるというデメリットがあります。
眼瞼下垂手術を考えている方には、皮膚が硬くならないようにアイプチの使用を控えるなど心がけていただきたいと思います。

眼瞼下垂手術が推奨される方はどんなタイプ?

すべての眼瞼下垂の患者様において、手術が必要ということではありません。
では、どういう方が眼瞼下垂手術が推奨されるか?ということについてご説明します。

生活に支障または不快な症状がある場合は手術を推奨

まずは、やはり物が見づらいなど、生活や仕事に支障がある方が手術適応になります。
眼瞼下垂の症状が軽症であっても手術を受けることを推奨いたします。
次に推奨されるのが、眼瞼下垂によって肩こりや頭痛がある方です。このケースも手術をすることで生活の質の向上が期待できます。なお、年齢は関係ありませんので、以上の2点に思い当たる所があれば手術を受けることもご検討ください。

眼瞼下垂手術を勧めない場合もある

あまりに軽症である眼瞼下垂、また直接的に眼瞼下垂が原因ではないと判断できる症状で悩んでいる患者様の場合には眼瞼下垂手術を勧めない場合があります。
ただ、軽症かどうか、また不快な症状と眼瞼下垂の因果関係について自己判断は危険です。一度医療機関にて相談いただくことをおすすめします。

つかはらクリニックでは眼瞼下垂手術は原則保険適用

当院では、眼瞼下垂手術は基本的にはすべて保険適用となります。
保険適用の可否について厳密な基準はないですが、軽症の場合には診察の上で保険適用できるかどうか判断させていただきます。

眼瞼挙筋の状態を確認した結果、筋肉の弱わっている程度が小さい場合には保険適用にはならないことがあります。

眼瞼下垂によって頭痛や肩こりが起こり、生活に支障がある場合には保険適用での手術が可能です。ただし、まぶたの程度が軽症の場合には、保険適用にはならないこともあります。保険適用になるかどうかを含めて、診察時に詳しくご説明いたします。その点は安心してご受診いただければと思います。

眼瞼下垂は経験豊富な当院へ

眼瞼下垂手術はとても奥の深い手術になります。当院においても、豊富な治療実績と多くの知識と技術を駆使して行う、非常に難易度の高い手術です。
安易に眼瞼下垂手術を勧めるわけではありませんが、まぶたが落ちてきて困っているのであれば、まずは医療機関を受診していただくことをおすすめします。
他の眼瞼下垂の記事もぜひ読んでいただき、眼瞼下垂かもしれないと不安に思った方はまずは眼瞼下垂かどうかの判断するため医療機関を受診していただけたらと思います。

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