たるみ治療で著名なサーマクールという機器があります。
高周波を用いて熱をお顔全体に加えることでたるみを治療する治療器です。
治療の際、熱を照射する先端部分に専用のチップを用います。
チップには225ショット分、400ショット分、900ショット分などの種類があり、一度熱を通すと使い切る必要があり基本使い捨てになります。
使い切ると、そのチップでは照射出来なくなる設計になっています。
しかし、このチップを再利用する方法があります。
それは、再利用アダプターという専用器具を装着することで可能になり、このアダプターを販売する業者がいました。このアダプターは決して正規品ではありません。

何故、再利用することがそもそも危険なのかというとサーマクールの原理にあります。サーマクールは高周波を照射する装置になりますので、先端の構造が微妙に変化すると均等照射出来ず偏った出力になる可能性があります。
そうなると表皮の火傷や瘡蓋が出来たり、皮下組織に構造的変化（皮下組織内の火傷）の副作用を生じる危険性が高まります。
メーカー側もこのリスクを回避するために安全装置の一環として先端チップは消耗品として提供しています。

ただ、このチップはかなり高額なものになり、再利用することでチップの仕入れ原価が大幅に下がります。その結果、治療価格を大幅に下げることが可能になりますし、利益も大きくなるわけです。

再利用チップを利用した治療は思わぬ副作用や反応が生じ、後悔することになりますのでお勧めできません。そこで、再利用チップを使用しているかどうか判断するいくつかの方法をご紹介したいと思います。

①極端に価格が安い
あまりにも安い価格の場合、一度聞いてみることです。

②ハンドピースにアダプターがついているか確認する
サーマクールのハンドピースとディスポーザブルの間には何も挟まりません。
しかし、その間につけるのが再利用のためのアダプターです。
一時出回ったものはアダプターから線が出ており、その先に電池が付随しています。ハンドピースの先端から線のようなものがついていたら一度確認してみてください。

中々治療中に見極めることは難しいかもしれません。
しかし、こうしたちょっとした知識を知っているかどうかで安全な治療法を適切に選ぶことが可能になります。当然ですが、当院では再利用チップは使用しておりませんのでご安心ください。

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