先日、他院さんで下眼瞼のクマ治療目的で、ヒアルロン酸注射をしてもらった患者さんがこられました。クマの凹んだ部分に多目にヒアルロン酸注射をされているので、ソーセージのような形になり、さらにヒアルロン酸が透けて、外からわかってしまう状態でした。
下眼瞼、とくに内側は皮膚が薄い上に、さらに骨までの深さも浅く、陥没部分にそのままヒアルロン酸注射をすると、凸凹感がでたり、形が円柱状に盛りあがったり、見た目が不自然になり、治療が難しい部分です。
さらに、皮膚がきわめて薄いので、透明のヒアルロン酸が入いることで、皮膚の上からも判る程度に青っぽくみえます。これをチンダル現象とよびます。よく芸能人のひとで涙袋をヒアルロン酸注射でつくって透けている人がおられますね。それもチンダル現象です。
クマのヒアルロン酸注射は簡単のようにかんじられるでしょうが、そのような基本的ことを考慮して治療しなければ、仕上がりが不自然になってしますので、うちかたに工夫が必要です。
また、内側になれば、重大な副作用を引きおこす眼角動脈がありますので、注射のさいには細心の注意が必要です。