患者さんから、”他院で私はケロイド体質と言われました”と良く聞きます。実際にケロイドと指摘されたキズ跡を診せていただくと、ケロイドでないことが多く、特に、形成外科以外の科の先生にケロイドと指摘された場合は、ケロイドでないことが多いです。
ケロイドとは元のキズの範囲よりも大きく拡大し、隆起して正常皮膚よりも硬い傾向があります。
ケロイドと、よく混同されるのが肥厚性瘢痕です。大きさはほぼ元のキズと同じか幅が少し広い程度で、ケロイドほど膨らむ傾向がなく、ケロイドに比べ柔らかく、この肥厚性瘢痕がケロイドと間違えて診断されることが多いようです。
ですから、ケロイド体質と思い込んでいて、治療をあきらめていましたという患者さんが多くおられますが、適切な診断をすれば、キズが残りにくく治療が可能なことも多いです。
逆に、ケロイド体質でなくても処置後ケロイドのようにキズが膨れて目立つことがあります。それは、場所による影響が大きく、胸、肩、手の甲、足の甲、背中、二の腕(上腕)、腹部、前腕、、鼻の下(上口唇白唇部)、この順番くらいに、ケロイド体質でない人でも、キズ跡が膨れやすい傾向がありますので、慎重な対応が必要となります。