処置や手術を受ける場合に、その副作用は0.2%の確率ですと説明を受けた場合、確率が低く安全な印象を受けると思います。
実際の診察でも患者さんから、たとえばヒアルロン酸注射の後の内出血はどれくらいの確率ですか?と、聞かれることがあります。仮に3%くらいですとお返事すると、内出血が起こることが少ない印象をうけます。
しかし、この確率や%には注意が必要です。処置や手術を受けられた人全員の中で、副作用が出た人が何人おられて、副作用が出た人の割合が%の確率となります。つまり、患者さん個人個人にとっては、副作用が出たか出なかったか0%か100%なのです。
全体の副作用の確率が数%と低くても、患者さん個人に副作用が起こる確率は0%か100%であって、その患者さん個人の副作用の出現率が数%ではありません。
聞かれることが多いので、全体の中で何%とお答えはしますが、患者さん本人にとっては、副作用が起こるか起こらないかは、ふたつにひとつなのです。
ですから、処置や手術の説明をさせていただく場合は、確率は少なくても、副作用が出ることを前提に説明させていただきます。患者さん自身も副作用が出ても大丈夫な時期を選んで、処置や手術を受けることをお勧めしております。