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【肝斑】トランサミン内服

しみ
2013.09.05.木曜日
しみ | 2013.09.05.木曜日

肝斑の治療で最も有効な治療法は、トランサミン内服であることは、どの先生方も認めるところだと思います。このトランサミンのお薬としての一般名はトラネキサム酸です。歯磨きなどにも使われ、内服としてトランシーノとしても販売されています。

市販のトランシーノは、250mg錠3錠で1日750mgですが、トランサミンを肝斑の治療として使う場合、1日500mg以下では効果がないといわれていますので、当院では500mg錠3錠で1日1500mgを内服していただいてます。

トランサミンは、われわれ外科医が手術後の再出血予防のために飲んでいただくお薬ですので、肝斑の治療として処方してもらって、薬局でお薬を受け取るときに止血剤として説明されるので、驚かれる患者さんがおられます。

トランサミンは薬理学的に線溶系亢進阻害剤です。難しい表現ですが、出血を止めるためにできた血栓を溶かす反応を遅らせる効果があります。手術で皮膚や筋肉を切る際に血管が切られて、その部分の出血が止まるためには血栓が構成されます。トランサミンはこのいったんできた血栓が再び溶けないようにして働く止血剤です。

ですから理論的には血栓ができなければ、トランサミンは止血剤としては働きません。そう意味では一般の方がトランサミンを常用しても、血栓ができやすくなるリスクは低いと考えられます。しかし、以前に血栓ができるような疾患をされた方、たとえば脳梗塞、肺梗塞、心筋梗塞などの既往のある人は、トランサミン内服を避けていただく方が安心です。

また、ピルを内服中の人は血栓の副作用があるといわれていますので、私もそのことが心配で、ピルとトランサミンの併用に関して、産婦人科の先生に聞いてみたことがあります。産婦人科の先生は、ピル内服による血栓の副作用が起こる可能性は5万人に一人で、それも喫煙者に多く、非喫煙者の場合は血栓の副作用リスクはさらに低くなるそうで、実質的なリスクはないだろうとのお返事でした。

それでも、念のために当院ではピルを常用されている人には、トランサミン内服は避けていただいております。

どのようなお薬でも副作用があります。しかし、しっかりその働き方を正確に理解して知って使うことで、その効果が安全に有効に発揮されると思います。

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