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【眼瞼下垂手術】左右差をそろえるコツ

眼瞼下垂
2012.07.22.日曜日
眼瞼下垂 | 2012.07.22.日曜日

眼瞼下垂の手術で左右をそろえるのは、難しいことです。
眼瞼下垂の手術の際には、眼瞼挙筋と呼ばれる眼瞼を上げる筋肉を短くします。まず片方の眼瞼が上がるように調整し、次に反対側も同じように眼瞼挙筋を短くして眼瞼を上げます。すると、先に調整して上げた側の眼瞼が、逆戻りして落ちてきてしまい、また、やりなおさないといけない現象が起こります。
眼瞼をあげる筋肉は2種類あり、ひとつは動眼神経によって支配されている眼瞼挙筋であり、もうひとつは交感神経支配のミュラー筋です。
眼瞼挙筋を短くして眼瞼をあげやすくした瞬間に、今まで眼瞼挙筋の代わりに、一生懸命緊張して働いていたミュラー筋は、リラックスして緩みます。片方のミュラー筋が緩むと、同時に反対側のミュラー筋も緩んでしまいます。
ですから、片方の眼瞼挙筋を短くして、さらに反対側の眼瞼挙筋を短くした時点で、先に処置した眼瞼が、後戻りするように落ちてきてしまいます。
この左右差を解消するためには、この後戻りする分を考慮して、最初の片方の眼瞼挙筋を短くするときに、開眼のために目標とする眼瞼挙筋短縮量を、ほんの少しだけ多くします。いわゆる、オーバーコレクト(過矯正)にします。
そして、反対側の眼瞼挙筋を予定量だけ短くすると、すでに処置が終わっている反対側が、緩んで逆戻りしても、ちょうど左右がそろってきます。どの程度、過矯正にするかは経験で決めていますので、何パーセントぐらいかと質問されても答えにくいのですが、約5-10%くらいかと思います。
それだけの要因だけで左右差が簡単にそろうわけではありませんが、長年の経験と知識を積み重ねることで、最善の結果が出るように、このように外科医は常に努力を続けています。
最近は、昔と違って形成外科領域の教科書も充実し、実践ですぐに役立つよいものがたくさん出回っていますが、こうした経験に基づく細かいテクニックは数量化できない部分が多いので、教科書では省かれることがあります。ですから、ドクターからドクターへ、直接受け継がれる部分もまだまだ多く残っています。

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