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【シミ治療】PIH(炎症後色素沈着)と遺伝

しみ
2011.12.30.金曜日
しみ | 2011.12.30.金曜日

シミをQスイッチレーザーで治療した際に、約30%の確率で炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれるシミがまた出てくることがあります。
この副作用を避けるために必要最小限の出力で照射したり、処置前後の冷却をしっかり行うなどの工夫を行いますが、同じように冷やしてもPIHが生じます。
ですから、私の個人的印象として、以前からこの炎症後色素沈着が出やすいか出にくいかは、その人の体質や肌質によるのではないかと考えていました。
その考えを支持するかのような研究発表がポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社から発表されました。シミの発生の個人差に着目し、MC1Rと呼ばれる遺伝子の違いによってシミのできやすさや悪化の原因が違うことを明らかにしました。
その研究のひとつ目の結果で、MC1R遺伝子の92番目と、163番目にシミの原因因子を持っている人ほど、シミが多く発生していることがわかりました。
さらに、もうひとつの研究は、MC1R遺伝子タイプを配列別に分け、人数が多い上位3タイプに分類されました。その3タイプで、肌の色や実際の年齢から、加齢によりシミが悪化するのか、紫外線ダメージによりシミが悪化するのかが調べられました。
その結果、タイプ1では加齢・紫外線ダメージともにシミを悪化させることが、タイプ2では紫外線ダメージのみがシミを悪化させ、タイプ3では加齢のみがシミを悪化させることが明らかとなりました。
つまり、MC1R遺伝子配列によってシミを悪化させる原因が加齢の影響を受ける人、紫外線の影響を受ける人と、異なることが明らかとなりました。
この結果と同じようにPIHに関しても、PIHが出やすいかでにくいかが、このMC1R遺伝子がかかわっている可能性も推測されます。
もし、MC1R遺伝子の遺伝子診断が簡便できるようになれば、Qスイッチレーザーによるシミ治療の前に、あらかじめ処置後の経過を予想できるので、レーザー治療をお勧めしたり、逆にレーザー治療を避けて別の治療を提案することができるので、治療の正確性が格段とあがります。
このように、シミ治療に関しても将来的には遺伝子レベルでの診断方法により、革新的に改良されていく可能性があります。

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