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【雷さん】くわばらくわばら

雑学
2011.05.25.水曜日
雑学 | 2011.05.25.水曜日

私の出身の和泉市には桑原町という地名があって、雷様の伝説があります。桑原町にある西福寺には雷井戸と呼ばれる井戸があり、昔々雷様が誤って雲の上から転落してこの井戸に落ちたそうです。そのときにあるお婆さんが、雷様を閉じ込めるためにこの井戸に岩でふたをしたそうです。
子供の頃私たちがこのお寺を訪れたときには確かにこの井戸は巨大な岩でふさがれていました。こんな巨大な岩をお婆さんが一人で動かせたことが大変不思議でしたが、お婆さんは閉じ込めた雷様に二度とここ”クワバラ”には雷を落とさないと約束させて、井戸から出してあげたそうです。この伝説から、雷が鳴ったときは”クワバラ、クワバラ”と唱えるようになったそうです。
しかし、この”クワバラ、クワバラ”には他にも様々な説があります。この西福寺には奈良時代に道行と言う修行僧がいて、雷が鳴ったときも慌てずに仏教の経典を写したところ、雷がやんだという伝説もあります。それ以来ここにある井戸には雷を封じ込める力があると言われ、雷が鳴ったときに”クワバラ、クワバラ”と唱えることで「ここは雷を封じ込めた雷井戸のあるクワバラですよ」と雷様に教えるためだとの説もあります。
さらに、死後に雷神となった言われている菅原道真の領地の桑原には落雷がなかったからという説。雷様が農家の井戸に落ちて農夫にふたをされて、雷様が「自分は桑の木が嫌いなので、桑原と唱えたなら二度と落ちない」と誓ったという説など様々です。
どれも、もっともらしい理由ですが、もちろん和泉市出身の私は巨大な岩を動かしたお婆さんの説を信じていますよ。普段何気なく使っている言葉でも、元をたどりその背景を知ると言葉に重みがでますね。

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