医学用語には、難解なものがたくさんあります。しかし、実際にその内容を説明してもらうと簡単な事を表すことがあり、わざわざ難しい言い回しが必要なのだろうかと思うときがあります。
また医学生は、大学でまずこの煩雑は医学用語を覚える洗礼を受けて、いつの間にか難しい言い回しを好む好まざるに関わらず慣れてきて、難しくついつい使ってしまって、医者になっても肝心な説明の内容が曖昧になってしまうことがあります。
いくつかの例です。
褥創→とこずれ。
瀰慢(びまん)性→全体に広く、まんべんなく。
糜燗→潰瘍の浅いもの、皮膚や粘膜が浅くかけた部分。
感冒→かぜ。
手掌→てのひら。
清拭→患者さんの体をふくこと。
患者さんに知られてはいけない内容であれば意図的に難しくする意義は少しはあるかもしれませんが、難しく漢字で書くには大変煩雑です。今後介護分野で多くの人が医療に関わりを持つことが増えていくなか、このような用語はもう少し分かりやすいものや書きやすいものに変更する方が合理的に思えます。
また海外からの看護師さんの留学などを推進するためにも変更が必要ではないでしょうか。昔は隠語のように難しい言い回しを使うことで、仲間意識ができたりして、わずかな優越感があったのですが、これだけ医療が身近となる中では、一部の人たちだけに分かる用語ではなく、もっとわかりやすい使いやすい用語が必要とされると思います。
ドクターズコラム | 2011.05.20.金曜日