彼女のお父さんから結婚のお許しを得たことは、 私たち二人にとっては本当にありがたいことだったのですが、あまりにもその連絡は唐突でした。うれしい気持ちとともに困惑してしまいました。
私が医学部を卒業したころの医師は研修医として2年間修行期間を経て研修終了後は大学院に進学し4年間の研究生活を送るか、または、専門医取得のための数年間の臨牀実績を積む場合が多く、その後に、結婚することが多かったのです。研修医1年生で結婚をすることは稀でした。
せっかく、ありがたいお許しをいただいたのに、今度は逆に待ってくださいと言う立場になっていました。
待たされて、待たされて、願っていたことが、やっとせっかくかなったのに、今度は、現実との兼ね合いを考えなければならない状況となっていました。
二人だけの恋愛世界から、社会の中での二人を自覚しなければならないこととなりました。永すぎた春は終わりを告げて、春の霞は晴れたのに,、季節はすでに暑い日の陽炎にとってかわられていました。
(つづく)
出会い | 2011.03.07.月曜日