前回の投稿で、小顔ボトックスのリスクを説明させていただき、以下のように説明しましたが、これは当院での注射方法と注射量の小顔ボトックス注射でのことです。
前回の記事:小顔ボトックスは食事に支障が出るのか(気になるリスクについて)
この小顔ボトックスを継続していると、咬筋が小さくなったままですぐには膨らんでこないことがあります。他の顔面筋肉に比べ大きく発達した筋肉のため、元の状態になるまでにも時間が掛かるという原理です。他の場所のボトックス注射ではこのようなことはなく、一定期間で元のしっかり動く筋肉にもどるのですが、小顔ボトックスで咬筋が痩せた状態が長期間継続しやすいとされます。しかし、まったく打たない期間が長く続くと基本的には少しずつ筋肉が発達し膨らんできます。
仮に当院とは違う方法で小顔ボトックスをおこなった場合には、前回の投稿とは別の副作用が生じます。
まず、その副作用1つが咬筋の上方(頬骨より)にボトックスを広く打ってしまうと、頬が痩せこけて老けた印象になってしまいます。ですから、小顔ボトックス注射はエラと呼ばれる下顎角部の適切な位置に注射することが肝要です。
2つ目の副作用は、1回のボトックス量を多量に、注射間隔を短く繰り返していると、咬筋の痩せ方が強くなり、いったんボトックスを完全に中止しても、相当期間を待っても咬筋がもとの厚みにもどらないことがあります。この治療に限らず、美容医療治療はやり過ぎには注意が必要で、過剰な処置によりこのようなリスクが生じますので、少し足りないくらい、少し間隔が長いくらいが安全です。