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【眼瞼下垂】手術の功罪

眼瞼下垂
2015.10.10.土曜日
眼瞼下垂 | 2015.10.10.土曜日

先日、眼瞼下垂手術後の患者さんが、術後1ヶ月後の定期検診に来院されました。”その後経過はいかがですか?”との私の質問に、私の母と同じ年齢の80歳近いその患者さんは、”痛し痒しなんです”とお返事されました。

私としては、術後の結果には自信があり、術前に比べ眼瞼の開眼は上がりすぎず足りなすぎず改善し、左右差もなく、二重の幅も年齢相応で派手すぎず地味すぎず、傷もきれいなのですが、痛し痒しと言われた瞬間に、私の頭の中では不都合な点の予想が数秒間でぐるぐると駈けめぐりました。

しかし、私のそんな考えとは逆で、患者さんが困っていたことは、”電車で席を譲ってもらえなくなった”、ということでした。眼瞼下垂手術をすることで、眼瞼の開眼が良くなり、皮膚のタルミも除去し、二重もパッチリしたので、年齢で10歳以上若く見られるようになり、80歳近くなって腰も膝も痛いのに、お顔の見た目が若く見えるので、席を譲ってもらえなくなったとのことでした。

眼瞼下垂から解放され、視野が広がり、肩こりや頭痛から解放され、見た目も10歳以上若くなったのに、唯一、それで困っているそうです。しかし、形成外科医としては医者冥利につきる患者さんのお言葉でした。

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