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医師へのあこがれ(その20)

医師へのあこがれ
2009.03.06.金曜日
医師へのあこがれ | 2009.03.06.金曜日

  1981年1月11日。共通一次試験2日目。1日目に大きなミスもなく、リラックスした状態で望むことができました。
 理科は化学と物理を選択していました。まず、得意の物理を比較的早く終わらせて、化学に少し多めの時間をかける戦術を考えていました。
 自分では緊張していなかったつもりはありませんでした。しかし、このもっとも自身が得意とする物理でつまずいてしまいます。その問題は今も憶えています。抵抗のない斜面から、質量mの物体が初速度vで打ち出される問題です。
 今考えても難しい問題ではなく、斜面を登る間は、運動エネルギーが、一部位置エネルギーに代わり、その後斜面から飛び出した物体は、放物線を描く重力による自然落下です。斜面を登る状態での計算と、打ち出されてからの計算を、分けて考えれば何も難しい問題ではありません。
 どう勘違いしたのか、私は斜面を登る間も、物体の横方向の速度は一定で変化しないと思いこんでしまいます。斜面を登る間は、たとえ斜面に抵抗がなくても、位置エネルギーが増える分、運動エネルギーが減って速度は小さくなります。
 勘違いして思い違いをすると、時間が限られた中での緊張状態で、なかなか考えを修正することができません。柔軟性を持った考えで、少し冷静になって考えれば、難しいことではありません。当時はそれができず、物理学の1問目で、ペンが止まってしまいました。
 だからといって、ここまで来て簡単にあきらめるわけにはいきません。共通一次試験理科の解答はすべて選択式だったので、選択肢の単位分析で、選択肢1個1個がエネルギーか、速度か、重さかを調べることで、選択肢が2個ぐらいに減りました。仮の解答として解けない問題の選択肢を勘でを選び、物理学の他の問題と化学を先に解きました。
 再び解けなかった物理の問題に戻っても、私は思いこみに気づかないまま、正解にたどり着けませんでした。勘で書いた書いた問題が数問ありました。満点を取るつもりでいた、もっとも得意な物理で失敗をしてしまいました。
 すべての教科の試験が終了後、開放感ではなく重圧感に包まれていました。明日の自己採点が決して楽しみなものではなく、憂鬱なものとなりました。1月の寒さはまだまだ厳しく、医師にあこがれを持つ青年の顔に、北風は遠慮なく強く吹き付けていました。
(つづく)

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