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【ホクロ】脂腺母斑と基底細胞癌

ほくろ
2013.09.21.土曜日
ほくろ | 2013.09.21.土曜日

脂腺母斑は、生まれつきまたは子供の頃から、髪の毛の中や顔にできる、黄色みをおびた母斑(あざ)の一種です。多くは、小指頭大で、皮膚の色より少し黄色がかった色調で、触るとざらつきがあり、周囲から少し平らに低い丘のように隆起しています。

子供の頃は、周りの皮膚に近い色で隆起も低く、凸凹感も少ないですが、思春期頃になると、脂腺の発達とともに、脂腺母斑も隆起する傾向があります。表面のざらつき感も強くなり、色も茶色が濃くなってきます。頭髪内の脂腺母斑はその部分だけ毛が生えないのでハゲになります。

わざわざ、脂腺母斑のことを取り上げるのには理由があります。脂腺母斑から腫瘍が発生することがあるからです。その中にまれですが、悪性の基底細胞癌が発生することがあります。

脂腺母斑から腫瘍が発生する確率が20%ほどで、さらに基底細胞癌が発生する確率が0.1%ほどと言われています。ですから、むかし、わたし達が研修医の頃は、脂腺母斑を見つけたら切って取るように勧めなさいと教えられました。

しかし、悪性化する可能性が0.1%程度と低いことと、この基底細胞癌は比較的オトナシい癌で、癌ではないと言われる先生がおられるくらい悪性度が低く、最近では脂腺母斑を見つけたら即手術と言うことはなくなっています。

それでも、成長とともに脂腺母斑も大きくなりますので、大きくなれば切って取った後のキズ跡も大きくなるので、ある時期に切って取る方が無難かと思います。

ひとつの目安は思春期前ですので、5-6才で手術を行う場合は、少し大きな病院で入院して全身麻酔での手術となります。また、小さな脂腺母斑であれば、思春期まで待って局所麻酔注射が我慢できる年頃に、通院で外来で取ることも可能です。

むかしは、基底細胞癌のリスクを考え、必ずすぐに手術を考えられていた脂腺母斑も、今は状況をみながら患者さんのQuality of life を考慮し、適切な治療を行う時代になってきています。

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