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俵屋の魅力(その2)

日常
2009.01.11.日曜日
日常 | 2009.01.11.日曜日

 質素な俵屋の玄関を上がると、スリッパではなく暖かそうな布の室内履きを勧められ、男衆と呼ばれる係の人が、部屋まで案内してくれました。
 村松 友視さんの著書”俵屋の不思議”を既に読んでいたので、部屋に着くまでの廊下や壁の雰囲気を確認し楽しみながらゆっくり進みたかったのですが、やや早足の男衆について歩いていると、1分もかからず部屋につきました。
 大きな温泉旅館とは違い京都老舗旅館は私が思っていたほど大きくはなく、狭く感じました。俵屋には海外からのお客さんも多いと聞きますが、日本人の私でも狭く感じるのですから、外人さんにはもっと狭く感じるはずですが、ここ俵屋は海外の人にも大変人気があるそうです。
 300年の歴史を考えると、当たり前のことなのですが、300年前の日本人の平均身長を考えると、逆に昔は広かったのだと思います。しかし、このこじんまり感が私にはかえって大変懐かしく心地よい落ち着く空間でした。
 部屋に入るなり、新しい畳の香りがしました。年に1回年末に畳を張り替えるそうで、新しくなったばかりでした。ピカピカに磨き上げられた曇りひとつ無いガラス戸のむこうには、よく手入れされた小さい庭がありました。外の景色は見えませんが、自然光がさすので、狭苦しさは全然ありませんでした。
 その庭を眺めながら座ることが出来るように、庭に面して半畳ほどの掘り炬燵のように床がへこんだ部分があり、書き物をするのに丁度良い程度の机がありました。部屋に合わせてあつらえて作られた備え付けで、寸法もぴったりで素朴な木の机でした。まるで父親が子供のためにわざわざ作った机のような手作りの暖かさがありました。机はもちろんプロの職人による仕業ですので、釘はどこにも見あたらず、隙間もなくぴったり、はまり込んでいました。
 備え付けの座椅子は、11代目俵屋当主佐藤年さんが、長時間座っていても疲れないように配慮して作られたオリジナルの椅子で、その快適さからベンツ椅子と名付けられているそうです。さらに、椅子の横には、そのまま横になったときに敷くためのマットまで準備されています。机に向かう作業で疲れたときに、少し横になりたいときに重宝するようにとの気遣いから、さりげなくおかれていました。
 また、足をおろすと暖かく感じました。床暖房のようにヒーターが備え付けられていました。スイッチは確認できるのですが、ヒーター自体がぴったり備え付けられているので、あることが分かりませんでした。このヒーターのおかげで、この小さい書斎は大変快適な空間となり、落ち着いて庭も見ながら書き物をするのに最適な環境となっていました。昔から、小説家や文筆家が、お隠りでこの俵屋を好んで利用する理由がわかった気がしました。
 これらの発見や驚きは俵屋の魅力のほんの一部なのです。この後も、たった1泊の滞在中に、いくつの気づきに出会うこととなります。(つづく)

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