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【ほくろ】レーザーか切るか

ほくろ
2011.07.17.日曜日
ほくろ | 2011.07.17.日曜日

私が医学部を卒業した25年ほど前は、ほくろは切る方法しかなく、レーザーで治療することはほとんどありませんでした。局所麻酔の注射を行い、メスで丸いほくろを紡錐形(糸巻き型)に切って縫い、直線の傷にしてほくろを取りました。

この縫合のときは形成外科医の腕の見せ所で、中縫いと呼ばれる真皮縫合をいかに上手に行うかによって傷跡の残り具合が違ってきました。

その後、パンチと呼ばれる皮膚バイオプシー用の丸型のメスが開発されて、それでほくろを取ることが多くなりました。パンチの歯は丸型なので、ほくろの形にぴったりで、ぐるっと1発でほくろを皮下組織とともに一気に切り抜くことができて大変便利でした。6mmまでの大きさまでは縫う必要がなく開放療法と呼ばれ、軟膏を塗ってガーゼをあてて自然に閉じるのを待ちました。

しかし、切って縫う方法でも、パンチで切り抜く方法でも、処置後は出血が少なからずありましたので、圧迫のためのガーゼやテープが必要で外見的にも目立つものでした。禁酒禁煙や入浴制限など日常生活に影響があり、ガーゼ交換のための通院も複数回必要でした。

その後、レーザーが開発され、ほくろはレーザーで取られることが多くなりました。レーザーはほくろを削るとともに、創部が止血されるので処置後の出血がほとんどありません。処置後の生活制限もほとんどありませんので、ほくろを取ったその日に普通に入浴も可能です。通院も処置後ほとんど1回で終了です。

以前はレーザー照射後も軟膏と大きなテープを貼っていましたが、今は傷を保護するテープの材質も進化を遂げて、軟膏は必要なくなり貼るテープの大きさも最小限ですむようになりました。

レーザーで取ることのできるほくろの大きさも、当初は5mmまでと教えられましたが、今は技術もテープの材質も進歩していますので、場所によっては10mm近くまでレーザーで取ることが可能となっています。

医学の世界は他の分野に比べ、直接人体に影響を与える処置や材料が多いので、より安全性が求められることから、進化する速度が遅いように思いますが、私が医学部を卒業してからこの25年間でも、これほどの変化がもたらされています。

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