マンハッタン島上陸2日目。2週間前までは屋外でアイススケートができたというニューヨークの朝は5月でもまだ寒い。学会のお目当ての発表を聞いた後に、ニューヨークバスツアーに参加するため、宿泊しているタイムズスクエアのマリオットマーキーズホテルから、集合場所のヒルトンホテル向かった。
　ヒルトンホテルまでは、土曜日でビジネスマンの人通りがすくなければ、数ブロック先10分くらいのところだが、今日は胸にシンボルのピンクリボンをつけた乳がんに関するデモ行進の人でタイムズスクエアが人で埋め尽くされていた。
　ニューヨークでは、デモやキャンペーンなど年間400件以上の催しが行われ、ニューヨーク市警が必ず通行止めを行い交通整理を行っている。この警備費用はニューヨーク市の収入となる。財政難の大阪府も府内で行われるイベントに大阪府警が警備に出るときは、ニューヨークに習って有料にするのもよいかもしれない。これなら人員削減せずに財政が潤う。
　道路を埋め尽くす人の群れを避けて、ぎりぎりヒルトンに到着。ヒルトンホテルを出発したバスはブロードウェー通ってタイムズスクエアから南下。
　ガイドさんからブロードウェーミュージカルのお勧め作品の説明を受ける。同じミュージカルでも日本国内とはまったくレベルが違うので、一度国内で見たものでも見てみる価値はあると。ここニューヨークでの舞台に立てることは世界一を意味するとのことで、ミュージカルに限らずオペラ、バレエ、ジャズ、クラッシク、世界一流の芸術家がここニューヨークに集まる。
　ミュージカルは”シカゴ”のダンスが大変すばらしいとのお勧めを受け、今晩はすでにお目当てのミュージカルに予約を入れているので、明日夕方に”シカゴ”の予約をお願いした。”シカゴ”ストーリーはあまり好きではない内容だが百聞は一見にしかず、世界一のミュージカルダンスを見ることにした。
　バスはゆっくりマンハッタン島南端に向けて進み、ソーホー地区に。高層ビルが林立する摩天楼ミッドタウンとは違い、地盤が弱いソーホー地区は低い建物が立ち並ぶ。屋外にある非常階段は昔火事が多かった名残で、映画でもよく目にする。メグライアン主演”ニューヨークの恋人”でも彼女のアパートメントに非常階段があった。
　バスはグラウンド・ゼロにさしかかった。9.11同時多発テロの跡地。大きくえぐられた地面だけが残る場所で、今は唯の工事現場だが、9.11同時多発テロがあらかじめ起こることがわかっていてた聞いてさらに驚いた。ある目的のために数千人の命が犠牲になったことに胸を痛めた。
　バスはマッハッタン島南端のバッテリーパークに到着。ここから、自由の女神が建つリバティー島への上陸予定だったが、連絡フェリーに乗るまでに3時間待ち。海外からだけではなく、週末なのでアメリカ国内からの観光客も大勢押しかけていた。リバティー島への上陸はあきらめ、通勤用に使われている別のフェリーで対岸ブルックリンにわたりすぐに折り返し、自由の女神とは近くを通るだけでの初対面となった。
　昼食はブルックリン橋が見えるショッピングモールサウスストリート内フードコートで。このブルックリン橋も映画では何度も出てくるニューヨークを代表する歴史を感じさせる趣のある建築物です。マンハッタンは、大人が楽しめる巨大なテーマパーク。博物館、美術館、ブランドショップ、セントラルパーク、ミュージカル、クラッシク、バレエ、ジャズ、決して大人を飽きさせることはない。
　意図的に映画にニューヨークを使い、世界中に映画を配信することで、観光客がその場所を見に来るように意図的に誘致している。私も例外に漏れず、映画に出てきた場面を思い出し、あっここだここだと悦に入っていた。ニューヨークでは映画撮影も多く年間200回ほど市街地で交通規制のもとに撮影が行われるそうです。

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