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命の話(1)

ドクターズコラム
2011.01.16.日曜日
ドクターズコラム | 2011.01.16.日曜日

16年前の1月17日に
阪神淡路大震災が
ありました
甚大な災害により
多くの尊い命が
失われました
今、私は
開業をして
美容に関する
仕事をしています。
医療の中では
命に関わる分野から
もっとも遠い存在です。
私は、長年
美容医療の基礎となる
形成外科の世界で勉強し
形成外科専門医ですが
救急専門医でもあります。
美容に携わる
形成外科医としては珍しく
生死に関わる患者さんと
多く接してきました。
救急の現場にいると
命のもろさを
痛感させられます。
それは、昔
救急病院に
勤めていたころでした。
夏のある日
だったと思います。
病院のガラス越しに
にわか雨の気配を
感じたのも束の間、
雨足は急に激しくなり、
滝のような雨に包まれ
局地的な集中豪雨
になりました。
あまりの激しい雨量に
事故がなければとの
私の心配が現実と
なりました。
マンホールに転落し
おぼれた人の
救急搬送要請が
救急隊から連絡が
入りました。
連絡を受けた私は
救急担当の
看護師とともに
人工呼吸のための
気管内挿管準備をし
除細動器の充電状態
を確認して、
心臓に強心剤を送り込む
中心静脈路キットも
そろえ、
患者さんの搬送に
備えました。
しかし、
連絡を受けてから
数分たっても
救急車が来ません。
心肺停止状態になった場合
3分以上経過すると
極端に蘇生率が低下します。
相当待ったように思います。
遠くから救急車の
サイレンが
聞こえてきました。
救急処置室の
ドアを開けました。
降り続ける激しい雨で
かすんでいる景色のむこうに
救急車の影が見えました。
救急車の運転で
搬送されている
患者さんの
重症度がわかります
その日の救急車は、
車体を傾けて
交差点を曲がり
救急処置室に
向かってきました。
救急車が完全に
停止するのを
待たずに
助手席から
救急隊員が
飛び出し、
後方の扉を
開けました。
そこには、
まったく動かない
ずぶ濡れになった
若い男性が
横たわっていました。
(つづく)

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