ほくろは、皮膚の腫瘍性変化、いわゆる、できものなので、一般には、切って取るか、削るタイプのレーザーを使って取ります。削るときは、当院では炭酸ガスレーザーを使います。
Qスイッチレーザーを使って、ほくろをとった場合、色が抜けるだけで、母斑(ほくろ)細胞は残ります。
Qスイッチレーザーは、黒色だけに反応する特殊な波長のレーザーを、極めて短い時間ナノ秒で照射できる構造です。黒色色素だけに反応し、周囲の細胞には熱エネルギーが伝わらない仕組みです。
ですから、Qスイッチレーザーはほくろの色素に反応しても、ほくろ細胞を破壊することが出来ないので、取り除くことが出来ません。
もし、ほくろに使うとしたら、Qスイッチタイプではない、ロングパルスタイプのレーザーであれば、単独使用でも炭酸ガスレーザー併用でも、ほくろを取ることができると思います。
実際に私の尊敬するF先生は、ロングパルスタイプのレーザーでほくろを取っていると、先日お聞きしました。
ほくろに見えるが、実際はしみの場合は、Qスイッチレーザーでも取れます。
また、脂漏性角化症と呼ばれる老人性イボは、周囲にしみを伴うことがあるので、その時は炭酸ガスレーザーで脂漏性角化症を削り、周囲のシミをQスイッチレーザーで取ることはあります。
ほくろ | 2009.07.29.水曜日