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医師へのあこがれ(その1)

医師へのあこがれ
2008.08.09.土曜日
医師へのあこがれ | 2008.08.09.土曜日

35年前。もうすぐ夏休みを迎えようとする日曜日の午後。友人のH君が遊びに来た。目的の品はなかったが、普段から良く行く駅前のプラモデル屋Pに出かけた。
小学校5年生の夏、そのプラモデル屋の帰路に私の人生を変える出来事がおこる。H君の前を走る私がバランスを崩し、自転車ごとコンクリートの用水路に転落してしまった。用水路の水は浅かったが、左から転落して浅い水深に顔が半分沈んだことを、今もくっきり覚えている。
顔を水面から上げた次の瞬間、左腕の異常にすぐ気づいた。左腕が自分の意志とは無関係ぶらんと垂れ下がり、肘の上で不自然に曲がっていた。子供の目にも骨折は明らかであった。
H君はすぐさま、私の家に戻って父を呼んできてくれた。父は、用水路の中でびしょ濡れでうずくまる私の腰のベルトをぎゅっと掴むと、一気に私を用水路から引き上げてくれた。その時、元自衛官の父の腕っ節の強さが、すごく頼もしく感じられた。
自宅に戻り、私は縁側に座り救急車の到着を待った。暗くないはずなのに、待っている間縁側は大変薄暗く感じた。しかし、待っても待っても救急車は来なかった。その頃の和泉市は救急病院も少なく、救急車も数が少なかった。命に関わる状態でなければ、当然後回しになる。結局私は救急車ではなく知り合いの車で、救急隊から紹介された隣の市、泉大津市のY病院に運ばれた。
そのときに感じた患者としての不安な気持ちの記憶は大人になっても消えることなく、私は形成外科医としての道を歩むのですが、修業時代に3年間の救命救急センターへの出向の後に救命救急専門医としての資格も取得した。
Y病院に到着後、担当医、たぶん日曜日だったので当直の先生が私の腕を診るなり、開口一番”手術をしなければいけませんね”と言われた。今では考えられないことだが、その言葉だけで、私はその場で腰を抜かしてへたり込んでしまった。(つづく)

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