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(ワキガ治療)剪除法orミラドライ どちらを選ぶべきか

腋臭・わき汗
2023.06.27.火曜日
腋臭・わき汗 | 2023.06.27.火曜日

「どの治療法もメリットデメリットがあり、自分にとって適正が分からず、中々踏み切れない…。」

ワキガや多汗症でお悩みの方でどの治療を選択すべきか迷われている方が多くいらっしゃいます。費用、術後のダウンタイムや副作用、生活制限、そして効果などあらゆる視点で判断する必要があります。

結局、どの治療が良いの?

今回は、剪除法orミラドライ どちらを選ぶべき? についてご紹介したいと思います。

(メスを使った)剪除法とミラドライの決定的な違い

剪除法とミラドライの術式については既にご存じの方も多いと思いますのでここではそれぞれの基本的な治療の説明については割愛します。

詳しく知りたい方は各治療ページを参照ください。

ミラドライの治療詳細について
※剪除法の治療は現在行っておりません。

【その1.】治療後のダウンタイム

まず、決定的に異なるのが治療後のダウンタイムです。メスを使う手術は医師の手技により結果が左右する術式です。
当院では「直視下剪除法」に改良を加え、術後の合併症が極めて少ない最小限の切開で行う院長考案術法です。

しかし、メスを使う以上傷跡が残るリスクだけではなく、術後1週間は強い日常生活制限があります。
具体的には術後1週間は肘が体から離れないように肩関節の動きを制限し、上腕(二の腕)を上げたり出したりできません。(安静を維持しないと出血や縫合不全が生じ、傷の治りが遅れ、傷跡に影響してしまいます。)順調にいけば約2週間後に抜糸します

抜糸までは約3,4日後に1回、約1週間後に1回と数回のガーゼ交換が必要になります
また、抜糸までは患部を水などで濡らしてはいけません。よって入浴も意識しなければなりません。
当然、禁酒禁煙・車やバイクの運転は禁止になります。
かなりの生活制限が生じますので、当院では片方のワキずつ治療することをおススメしています。

例えば、右ワキから行い、2週間後抜糸し、そして左ワキを治療し、2週間後抜糸とスムーズに行ったとしても約1ヵ月以上は生活制限が生じます。
お仕事をされている方にとってはかなり厳しい制限です。

それに比べ、ミラドライは治療後の生活制限はありません。
処置後の痛みは2,3日ほど生じますが、傷跡も原則残りません。

【その2.】治療効果の違い

もちろん、剪除法にもメリットはあります。
剪除法はワキガの原因となるアポクリン腺の導管部まで取り除く術式になります。
経験豊富な熟練の医師が行う剪除法は効果が高い治療法です。
術後の汗・臭いは術前と比べ80-90%前後減少しその効果は原則半永久持続しますが
アポクリン腺は取り過ぎると皮膚が薄くなり過ぎる危険性があるため、全てを除去することができません。
また、手術部位以外の周辺にも少量のアポクリン腺があるため、臭いが完全になくなるわけではなく、ほんの少し臭いは残ります。

ミラドライは剪除法と比較すると効果は少し劣ります。
術後の汗・臭いは術前と比べ6~8割の減少です。もちろん効果は原則半永久持続します。

何故、ミラドライは剪除法と比べ治療効果に差が出るのか。
1つにアポクリン腺の導管部を目視して取り除くわけではありません。
そのため丁寧に確実に照射していくわけですが、ミラドライは照射出力を強くし過ぎると脇下にある上腕神経損傷や強度の熱傷による皮膚壊死という副作用を起こすリスクがあります。
これを防ぐため、出力を調整しながら処置をする必要があります。部位によってはどうしても出力を弱めなければならないこともあります。これが一部のアポクリン腺が死滅しない要因の1つとなります。
浅い部分に神経が走行する個所を照射する際、自動的に出力を低くする機能が備えられていますので、まず先ほど挙げたような副作用が発生することは稀です。
比較的脂肪の多い人は強い出力でも副作用が出にくいですが、脂肪層が少ない人への照射は出力を高めると副作用のリスクがあります。

故に安定した効果が出せる機械治療だとしても副作用の起こらない安全な出力を保ちながら、臭いの元となるアポクリン腺を消滅させる照射が求められる以上、施術する医師のスキルに左右する治療と言えます。

【その3.】料金の違い

剪除法のもう1つのメリットは「料金」です。
剪除法は「保険適用」の治療です。当院の場合、両脇で約40,000円で治療可能です。ミラドライは自由診療になり、両脇で250,000円(2020年1月15日時点)となります。

【その4.】再発のリスク

前述したように剪除法は医師のスキルに大きく左右する手法です。
全てのアポクリン腺を除去できるわけではありませんが、稀に効果と再発リスクを最小限にするため、剪除法を選択されたのにも関わらず再発した方がいらっしゃいます。
他院で処置された再手術は前回の術式次第で非常に難易度が高くなります。1度の手術で確実に除去しなければ、再発のリスクのあり、同じ条件でリトライの約束ができない治療でもあります。

ミラドライも照射によりアポクリン腺が消滅するので、照射前と比べ汗・臭いは減少し、ほぼ再生することはありません。
しかし、ミラドライも剪除法同様、すべてのアポクリン腺を消滅させることはできません。故に残ったアポクリン腺量によっては臭いが治療後も発生する可能性があります。これは剪除法も同じことが言えます。
ただ、ミラドライは2回目の照射が可能です。1回で満足頂くケースがほとんどですが、稀に2回目を希望される方もいらっしゃいます。
当院では2回目の料金を割引してご案内しております。

ただ、いずれの治療にも言えることは、術前と比べると確実に(半永久的に)アポクリン腺量は減少します。
繰り返しになりますが、ご紹介したように100%アポクリン腺を除去はできません。しかし、どんな人にもアポクリン腺は一定量存在します。治療によりアポクリン腺の量が少なくなれば、治療を必要としない人と大差はなくなります。つまり、たとえ多少の臭いが残ったとしても一般的な抑臭剤でも十分抑えることができる程度であればリスクを冒してまで再度治療しないという選択肢も生まれます

結局、どっちの治療が良いのか。

治療効果に関しては剪除法が勝りますが、当院ではいずれの治療においても最大限の効果を発揮できる治療を心がけています。もちろん、ミラドライも非常に優れた画期的な治療機器です。
汗・臭いの程度によってはミラドライを推奨するケースも少なくありません。
もちろん、費用の面で大きな差はありますが、2回目の照射が可能で、且つ術後の副作用リスクも少ない、特に生活制限のないミラドライの方が治療後の選択肢の多様性という観点から評価するならば一歩有利なのではないでしょうか。

どちらの治療が良いか。

その答えは一人一人の症状の程度、生活スタイルやニーズにより変わってきます。
大切なのは一人で悩まず、信頼できる医師のもと、自分にとってベストな治療法を知ることからです。

ミラドライ治療詳細はこちら
ワキガ施術(剪除法)の治療は現在行っておりません。

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