最近ピルを飲んでおられる方が増え、脱毛との関連を質問されることがあります。
一般にピルは、卵胞ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲステロンの合剤です。その副作用として色素沈着が、わずかながらあります。確率的には0.1%から0.3%くらいと言われています。1000人にひとりから300人にひとりくらいの発生率です。
脱毛処置でも、色素沈着の副作用がありますので、ピルを併用されている方の色素沈着のリスクはすこし高くなる可能性があります。
どちらの確率も低いですが、注意が必要です。もし、脱毛処置中にシミが濃くなったり、できたりした場合は、治療目的で飲んでいるピルを中断することはできないでしょうから、いったん脱毛を中止して、シミが薄くなるのを待ちます。
シミの濃さにもよりますが、待って頂く期間に、ビタミンCのローションや内服を併用して頂く場合もあります。それでも、色の抜け具合が弱い場合は、ハイドロキノン軟膏などを用いて色を抜いていきますが、ほとんどの場合は待って頂くだけでも、色が薄くなってきます。
ただ、ひざ下は他の部分に比べシミになるとすこし色が抜けてくるのに時間がかかる傾向がありますので、より注意が必要となります。
どのようなお薬でも、どのような処置でも効果のあるものには副作用がありますが、正しく理解して適切に対応すれば、安全に確実に結果を出すことが可能です。
脱毛 | 2011.10.26.水曜日